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セラミック治療のメリット・デメリットを歯科専門医が徹底解説
セラミック治療とは?歯科医療における位置づけ
セラミック治療とは、陶器の素材であるセラミック製の詰め物・被せ物を用いて、むし歯などで失った歯質を補う治療法です。審美性に優れているだけでなく、機能性も高く、近年多くの患者さんに選ばれるようになってきました。
私が歯科医師として20年以上の臨床経験を積む中で、セラミック治療の技術と材料は飛躍的に進化してきました。特に2025年現在では、AI技術や3Dプリントの導入により、より精密で個々に最適化された治療が可能になっています。
セラミックには、全てがセラミックでできている「オールセラミック」、人工ダイヤモンドの素材である「ジルコニアセラミック」、レジンとセラミックを混ぜ合わせた「ハイブリッドセラミック」など、様々な種類があります。それぞれ特性が異なるため、患者さんの状態や希望に合わせて最適な素材を選択することが重要です。
保険診療では銀歯(金属)やレジン(プラスチック)が使用されますが、セラミック治療は自費診療となります。費用は高くなりますが、見た目の美しさや機能性、耐久性を考えると、長期的な視点では価値のある選択肢と言えるでしょう。
では、セラミック治療の具体的なメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。

セラミック治療の5つの主要メリット
セラミック治療には多くのメリットがあります。私の臨床経験と最新の歯科医学の知見から、特に重要な5つのメリットをご紹介します。
1. 優れた審美性と自然な見た目
セラミック治療の最大の特徴は、何といっても審美性の高さです。天然歯に近い白さと透明感を再現できるため、口を開けたときに治療痕が目立ちません。
銀歯は金属の色が目立ち、笑ったときに人目が気になってしまいますよね。セラミックなら、周囲の歯と調和した自然な見た目を実現できます。
特に前歯や笑ったときに見える部分では、この審美性の違いは患者さんの生活の質に大きく影響します。美しい歯の見た目は、自信を持って人と接することができ、社会生活においても大きなメリットとなるのです。
2. むし歯の再発リスクが低い
セラミック素材は歯との結合性に優れているため、歯と被せ物の間にすき間が生じにくく、むし歯が再発するリスクが低減されます。
銀歯は経年により歯との間にすき間が生じやすく、そこに食べ物のカスや細菌が入り込むことでむし歯が再発することがあります。セラミックは歯との接着性が高いため、このようなリスクを大幅に減らすことができるのです。
むし歯の再発を防ぐことは、歯の寿命を延ばすことに直結します。一度削った天然の歯質は二度と元には戻りません。セラミック治療によって再治療の頻度を減らすことで、より多くの健康な歯質を長期間保つことができるのです。
3. 経年変化が少なく長持ちする
セラミックは変色や劣化が少なく、適切なケアを行えば10年以上の使用が可能です。銀歯は時間の経過とともに金属イオンが溶け出し、歯茎が黒ずむことがありますが、セラミックではそのような心配がありません。
私の臨床経験からも、適切に製作されたセラミックの詰め物や被せ物は非常に耐久性が高いことが分かっています。多くの研究でも、セラミック修復は20年から30年ほどで9割が残存するという結果が報告されています。
4. 金属アレルギーの心配がない
金属アレルギーをお持ちの方や、将来的な金属アレルギー発症を心配される方にとって、セラミックは理想的な選択肢です。セラミックは生体親和性が高く、アレルギー反応を引き起こすリスクがほとんどありません。
近年、金属アレルギーの患者さんが増加傾向にあります。特に女性は金属アクセサリーの影響もあり、金属アレルギーを発症するケースが多いです。セラミック治療なら、そのような不安なく治療を受けることができます。
5. 周囲の歯や歯茎への優しさ
セラミックは生体親和性が高く、周囲の歯や歯茎に優しい素材です。金属のように歯茎を変色させることがなく、また適切に研磨されたセラミックの表面は滑らかで、プラークが付着しにくいという特徴もあります。
歯周病予防の観点からも、セラミックは優れた選択肢と言えるでしょう。私の臨床では、セラミック治療を行った患者さんの歯茎の状態が改善するケースをしばしば目にします。
知っておくべきセラミック治療の3つのデメリット
セラミック治療には多くのメリットがありますが、もちろんデメリットも存在します。治療を検討される際には、これらのデメリットもしっかりと理解しておくことが大切です。
1. 費用が高額になる
セラミック治療は自費診療となるため、保険診療と比較すると費用が高額になります。一般的に、1本あたり数万円から十数万円程度の費用がかかります。
ただし、長期的な視点で考えると、耐久性が高く再治療の頻度が少ないため、トータルコストでは必ずしも高くなるとは限りません。保険診療の詰め物や被せ物は5〜6年で再治療が必要になることが多いのに対し、セラミックは適切なケアを行えば10年以上持つことが期待できます。
私は患者さんに「セラミック治療は初期投資は大きいですが、長い目で見ると価値のある選択になることが多い」とお伝えしています。もちろん、個々の患者さんの状況や優先事項によって最適な選択は異なりますので、カウンセリングで十分に相談することをおすすめします。
2. 天然歯の削除量が多い場合がある
セラミック治療、特に被せ物(クラウン)の場合は、十分な強度と審美性を確保するために、天然歯を一定量削る必要があります。これは避けられない処置ですが、最小限の削除量で最大限の効果を得られるよう、私たち歯科医師は細心の注意を払っています。
近年では、歯を削る量が少ない「ラミネートベニア」や「オーバーレイ」といった治療法も発展してきており、症例によっては従来の被せ物よりも歯を削る量を抑えることができるようになってきました。
どのような治療法が最適かは、むし歯の進行度や歯の状態によって異なります。歯を極力残すという観点からも、早期の治療開始をおすすめします。
3. 修理や調整が難しい場合がある
セラミックは非常に硬い素材であるため、一度装着した後の修理や調整が難しい場合があります。特に薄いラミネートベニアなどは、調整の際に割れてしまうリスクもあります。
また、セラミックが割れたり欠けたりした場合、部分的な修理が難しく、全体を作り直す必要があることも少なくありません。そのため、装着後は定期的なメンテナンスと適切な口腔ケアが非常に重要になります。
私の臨床では、セラミック治療を行った患者さんには、硬いものを噛まないよう注意していただいたり、ナイトガードの使用をおすすめしたりしています。適切なケアと定期的なメンテナンスによって、セラミックの寿命を大幅に延ばすことが可能です。

セラミックの種類と選び方〜症例に応じた最適な選択
セラミックにはいくつかの種類があり、それぞれ特性が異なります。患者さんの状態や希望に合わせて、最適な素材を選択することが重要です。
主要なセラミック素材の特徴
2025年現在、歯科臨床で主に使用されているセラミック素材には以下のようなものがあります:
ジルコニア:「人工ダイヤモンド」とも称されるほどの高い強度を持ち、奥歯などの噛む力が強い部位に適しています。天然歯に近い色調を再現できるため、審美性も高く評価されています。
オールセラミック:金属を一切使用しないため、金属アレルギーの心配がなく、歯茎の黒ずみも防げます。その透明感と自然な色合いから、前歯の治療に特に適しています。
e.max(イーマックス):二ケイ酸リチウムを主成分とするセラミックで、自然な透明感と美しい色調が特徴です。特に前歯や小臼歯に適しており、見た目と耐久性を重視する方に人気があります。
ジルコニアレイヤリングセラミック:内側にジルコニア、外側にセラミックを重ねた構造で、強度と審美性を両立し、前歯にも奥歯にも対応可能です。
これらの素材はすべて自由診療となりますが、それぞれ特性が異なるため、患者さんの状態や希望に合わせて最適な素材を選択することが重要です。
症例に応じた選択のポイント
セラミック素材の選択は、治療部位や患者さんの噛み合わせの状態、審美的な要望などを総合的に考慮して決定します。
前歯の場合:審美性を最優先するなら、透明感のあるオールセラミックやe.maxが適しています。近年では、ジルコニアも対応できる様になってきています。特に笑ったときに見える部分は、見た目の美しさが重要です。
奥歯の場合:噛む力が強いため、強度の高いジルコニアが適していることが多いです。ただし、対合歯(噛み合う歯)への影響も考慮する必要があります。
ブラキシズム(歯ぎしり・食いしばり)がある場合:強度の高いジルコニアを選択することが多いですが、ナイトガードの併用も検討します。
私の臨床では、患者さんの生活習慣や噛み合わせの状態、審美的な要望などを詳しくお聞きした上で、最適な素材を提案するようにしています。また、複数の選択肢をご提示し、メリット・デメリットを説明した上で、患者さんと一緒に最適な選択をするよう心がけています。
セラミック治療の流れと期間〜何回の通院が必要か
セラミック治療は、一般的に複数回の通院が必要となります。ここでは、標準的な治療の流れと期間についてご説明します。
一般的なセラミック治療の流れ
1. 初診・カウンセリング:口腔内の状態を確認し、治療計画を立てます。レントゲン撮影や口腔内写真の撮影を行うこともあります。セラミックの種類や費用についても詳しく説明します。
2. 歯の形成(削る):セラミックを装着するために、歯を適切な形に整えます。この際、局所麻酔を使用するため、痛みはほとんど感じません。
3. 型取り:セラミックを作製するために、歯の型を取ります。最新のデジタル技術を使用する場合は、口腔内スキャナーで3Dデータを取得します。
4. 仮歯の装着:セラミックが完成するまでの間、仮の詰め物や被せ物を装着します。これにより、見た目や噛み合わせを確認し、必要に応じて調整を行います。
5. セラミックの製作:歯科技工士が精密にセラミックを製作します。色調や形態を細かく調整し、自然な見た目を実現します。
6. セラミックの装着:完成したセラミックを特殊な接着剤で装着します。噛み合わせを確認し、必要に応じて微調整を行います。
7. メンテナンス:定期的な検診でセラミックの状態を確認し、長期的な維持をサポートします。
治療期間と通院回数
セラミック治療の期間は、治療内容や歯科医院の設備によって異なりますが、一般的には以下のような目安があります:
標準的な場合:2〜3回の通院で、約2〜3週間の期間が必要です。
複雑な症例の場合:歯周病治療や根管治療が必要な場合は、それらの治療を先に行うため、全体の治療期間が長くなることがあります。
即日セラミック治療の場合:最新のCAD/CAMシステムを導入している医院では、1日でセラミック治療が完了することもあります。当院でも一部の症例では対応可能です。
治療期間中は、仮歯を装着しているため、見た目や機能に大きな問題はありません。ただし、仮歯は本物のセラミックよりも強度が低いため、硬いものを噛まないよう注意が必要です。
私の臨床では、患者さんのライフスタイルや予定に合わせて、できるだけ効率的な治療スケジュールを組むよう心がけています。特に遠方からいらっしゃる患者さんには、可能な限り通院回数を減らせるよう配慮しています。
セラミック治療を長持ちさせるためのケア方法
セラミック治療は適切なケアを行うことで、長期間美しさと機能を維持することができます。ここでは、セラミックを長持ちさせるためのケア方法をご紹介します。
日常のケアポイント
1. 丁寧な歯磨き:セラミック自体は虫歯になりませんが、セラミックと歯の境目は虫歯のリスクがあります。歯ブラシや歯間ブラシを使用して、丁寧に清掃しましょう。
2. 定期的な歯科検診:半年に1回程度の定期検診を受けることで、問題を早期に発見し、対処することができます。プロによるクリーニングもセラミックの寿命を延ばす重要な要素です。
3. 硬いものを噛まない:セラミックは非常に硬い素材ですが、過度の力がかかると割れることがあります。氷を噛んだり、硬い食べ物を噛み砕いたりすることは避けましょう。
4. ナイトガードの使用:歯ぎしりや食いしばりがある方は、就寝時にナイトガードを使用することで、セラミックへの過度の負担を防ぐことができます。
注意すべき習慣と対策
セラミックの寿命を縮める可能性のある習慣には、以下のようなものがあります:
爪を噛む習慣:前歯のセラミックに過度の力がかかり、欠けや割れの原因になることがあります。
ペンやその他の硬いものを噛む習慣:同様に、セラミックに負担をかける原因となります。
不適切な歯磨き:強い力で歯を磨いたり、研磨剤の強い歯磨き粉を使用したりすると、セラミックの表面に傷がつくことがあります。
これらの習慣がある方は、意識的に改善するよう心がけましょう。また、定期的な歯科検診で、セラミックの状態をチェックしてもらうことも重要です。
私の臨床経験からも、適切なケアと定期的なメンテナンスを行っている患者さんのセラミックは、10年以上美しさと機能を維持していることが多いです。セラミック治療は初期投資は大きいですが、長期的に見れば非常に価値のある選択と言えるでしょう。
まとめ:セラミック治療は誰に向いているのか
ここまで、セラミック治療のメリット・デメリット、種類、治療の流れ、ケア方法などについて詳しくご説明してきました。最後に、セラミック治療が特に向いている方の特徴をまとめてみましょう。
セラミック治療は以下のような方に特におすすめです:
審美性を重視する方:人前で話す機会が多い方や、笑顔に自信を持ちたい方には、天然歯のような美しさを再現できるセラミック治療が適しています。
金属アレルギーをお持ちの方:金属アレルギーがある方や、将来的な金属アレルギーの発症を心配される方には、金属を使用しないセラミック治療が理想的です。
長期的な視点で考える方:初期費用は高くても、長持ちする治療を希望される方には、耐久性の高いセラミック治療がおすすめです。
むし歯の再発を防ぎたい方:過去に何度もむし歯の再発を経験された方には、むし歯の再発リスクが低いセラミック治療が適しています。
一方で、以下のような場合は慎重な検討が必要です:
極度の歯ぎしりがある方:コントロールが難しい強い歯ぎしりがある場合は、セラミックが割れるリスクがあります。ナイトガードの併用などの対策が必要です。
予算に制約がある方:セラミック治療は自費診療となるため、費用面での検討が必要です。
セラミック治療を検討される際は、信頼できる歯科医師とよく相談し、ご自身の状態や希望に合った最適な選択をすることが大切です。私たちノアデンタルクリニックでは、患者さん一人ひとりに合わせた丁寧なカウンセリングと、最新の技術を用いた質の高いセラミック治療を提供しています。
美しく健康な歯は、豊かな人生を送るための大切な資産です。セラミック治療によって、「堂々と笑って過ごせる人生」を手に入れてみませんか?まずは無料カウンセリングにてお気軽にご相談ください。
詳細な情報や無料カウンセリングのご予約は、ノアデンタルクリニックの公式サイトをご覧ください。皆様のご来院を心よりお待ちしております。

ノアデンタルクリニック院長
渡辺 徹也Watanabe Tetsuya
略歴
- 2000年朝日大学歯学部卒
- 2001年朝日大学歯学部歯学研究科(歯周病学専攻)入学
- 2005年同 修了(歯学博士)
- 2005年~土田歯科医院に勤務
朝日大学歯周病学講座 非常勤講師 併任 - 2009年~土田歯科医院 退職 非常勤に(矯正治療担当)
- 2009年4月ノアデンタルクリニックを開設
- 2012年8月ノアデンタルクリニック・ホワイトエッセンスに改名
- 2014年4月保険医療機関指定を辞退 自費専門医院に
- 2024年4月医療法人スマイルアークとして法人化
研修
- 藤本順平先生 補綴・咬合コース 修了
- 弘岡秀明先生 歯周病コース 修了
- 堀田康記先生 インプラントコース 修了
- 石井宏先生 歯内療法コース 修了
- 高橋登先生 レジン修復コース 修了
- 三根治先生 歯列矯正コース 修了
- 尾谷幸治先生 医療面接コース 修了
- Dowen Birkhed/Peter Lingstrom教授
むし歯(予防)学コース 修了 - 秋山勝彦先生 マイクロスコープ歯周病コース 修了
所属学会
- 日本歯周病学会
- 日本口腔インプラント学会
- 日本顕微鏡歯科学会
- 宮崎インプラント研究会(2005-2008)
- 愛知インプラントセンター(2007-)
- 歯科臨床研鑽会 役員
- Journal Club
- 株式会社松風 プロダクトアドバイザー
その他
- 朝日大学歯周病学講座 非常勤講師
- 日本歯周病学会認定医
- 日本顕微鏡歯科学会
- 日本顕微鏡歯科学会認定医
- 第2種滅菌技士
- 歯科臨床研鑽会 役員
- 同マイクロスコープstep-upセミナー講師( ダイレクトボンディング担当)
