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歯並びが変わると顔立ちも変わる?矯正のメカニズムを徹底解説
歯並びと顔立ちの深い関係性
歯並びが気になっている方の中には、「矯正治療をすると顔つきも変わるのだろうか?」と疑問を持たれている方も多いのではないでしょうか。結論からお伝えすると、歯科矯正によって顔の印象が変わることは十分にあり得ます。
私は矯正治療歴20年以上の歯科医師として、これまで多くの患者さんの歯並びと顔立ちの変化を見てきました。歯並びと顔立ちには実は深い関係があるのです。歯は単に口の中にあるだけでなく、顔の骨格や筋肉のバランスに大きく影響しています。
特に出っ歯や受け口といった状態では、矯正治療によって横顔のラインが整い、より調和のとれた表情になることが多いです。これは単に見た目の変化だけでなく、噛み合わせの機能改善にもつながるため、美しさと健康の両面でメリットがあります。
今回は歯科矯正によって顔がどのように変わるのか、そのメカニズムや変化が現れやすいケースについて詳しく解説していきます。矯正治療で美しい歯並びだけでなく、より魅力的な顔立ちを手に入れる可能性について理解を深めていただければと思います。

矯正治療が顔立ちを変えるメカニズム
歯科矯正によって顔が変わるのは、単なる錯覚ではありません。科学的な根拠に基づいたメカニズムがあります。ここでは、歯科矯正が顔の印象を変える主な理由を4つのポイントから解説します。
顎の位置の変化
矯正治療の最も大きな効果の一つが、顎の位置の改善です。特に出っ歯(上顎前突)や受け口(下顎前突)の場合、矯正によって顎の位置が適切になることで、顔全体のバランスが大きく変わります。
例えば、出っ歯の方が矯正治療を受けると、前に突き出ていた上顎が後退し、口元がすっきりとした印象になります。逆に受け口の方は、前に出ていた下顎が適切な位置に戻ることで、横顔のラインが美しく整います。
歯並びの改善による口元の変化
歯並びが整うことで、口元の形も大きく変わります。特に前歯の位置は、唇の形状に直接影響します。
出っ歯の場合、前歯が前に突き出ているため、唇も前に押し出された状態になっています。矯正治療で前歯の位置が改善されると、唇の突出感が減り、自然な口元のラインが形成されます。
また、ガタガタに並んでいた歯が整然と並ぶことで、笑った時の印象も大きく変わります。歯並びが美しくなると、自然と笑顔に自信が持て、表情全体が明るく見えるようになるのです。
噛み合わせの改善と顔の筋肉への影響
噛み合わせが悪いと、顔の筋肉にも悪影響を及ぼします。例えば、片側だけで噛む癖がある場合、顔の筋肉の発達に左右差が生じ、顔が非対称に見えることがあります。
また、強く噛みしめる癖がある方は、咬筋(こうきん)という顎の筋肉が発達してエラが張った印象になりやすいです。矯正治療で噛み合わせが改善されると、筋肉の緊張が緩和され、顔の輪郭がすっきりとしてくることがあります。
噛み合わせの改善は、顔の筋肉のバランスを整えるだけでなく、顎関節症などの機能的な問題の予防・改善にもつながります。
Eラインの改善による横顔の変化
「Eライン」とは、鼻先と顎の先端を結んだラインのことで、美しい横顔の基準とされています。理想的には、上唇と下唇がこのラインに軽く触れる程度が美しいとされています。
矯正治療によって歯並びや顎の位置が改善されると、このEラインのバランスも整い、横顔の印象が大きく向上することがあります。特に口元の突出感が改善されることで、全体的にバランスの取れた横顔になることが期待できます。
顔立ちが変わりやすい矯正治療のケース
矯正治療による顔の変化は、すべての人に同じように現れるわけではありません。特に顔立ちの変化が顕著に現れやすいのは、以下のようなケースです。
出っ歯(上顎前突)の場合
出っ歯は、上の前歯が前方に突き出している状態です。この場合、上唇も前に突出し、口が閉じにくくなっています。矯正治療によって前歯を後方に移動させると、上唇の突出感が減少し、口元がすっきりとした印象になります。
横顔で見ると、治療前は口元が前に出ていたのが、治療後は鼻と顎のラインとのバランスが取れた自然な横顔になることが多いです。これにより、全体的な顔の印象が大きく改善されます。

私の臨床経験でも、出っ歯の矯正治療は顔立ちの変化が最も分かりやすいケースの一つです。特に口元の突出感が強かった患者さんは、治療後に「顔が小さくなった」と言われることも少なくありません。
受け口(下顎前突)の場合
受け口は、下顎が前に出ている状態です。この場合、下唇が前に突出し、横顔が直線的になりがちです。矯正治療によって下顎の位置を改善すると、顔のバランスが整い、より自然な横顔になります。
特に成長期のお子さんの場合は、成長のコントロールによって顎の骨格自体を誘導することができるため、顔立ちの改善効果が高いです。大人の場合でも、歯の位置を変えることで軟組織(唇や頬)のバランスが改善され、顔の印象が変わることがあります。
受け口の矯正は、単に歯並びを整えるだけでなく、顔全体のバランスを整える効果があるため、治療後の満足度が高いケースが多いです。
ガミースマイル(笑うと歯茎が見える)の場合
笑った時に歯茎が多く見える「ガミースマイル」も、矯正治療によって改善できることがあります。上の前歯を上方に移動させることで、笑った時に見える歯茎の量を減らすことができます。
これにより、笑顔の印象が大きく変わり、より自然で美しい笑顔を手に入れることができます。ガミースマイルの改善は、顔の印象を変えるだけでなく、笑顔に対する自信にも繋がります。
ガミースマイルの治療は、単に歯を動かすだけでなく、上唇の動きや骨格的な要因も考慮した総合的なアプローチが必要です。
過蓋咬合(深い噛み合わせ)の場合
上の前歯が下の前歯を深く覆っている「過蓋咬合」の場合、下顔面の高さが短く、顎が後退している印象になりがちです。矯正治療によって噛み合わせの深さを改善すると、顔の縦のバランスが整い、顎のラインがはっきりすることがあります。
特に年齢を重ねると問題が顕著になりやすい過蓋咬合は、早めに治療することで、将来的な顔の印象の悪化を防ぐことができます。
矯正治療による顔立ちの変化はいつから現れる?
「矯正治療を始めたら、どのくらいで顔の変化が現れるのだろう?」
これは多くの患者さんが抱く疑問です。矯正治療による顔の変化のタイミングは、症例や年齢によって異なりますが、一般的な目安をお伝えします。
治療段階による変化の違い
矯正治療は通常、複数の段階に分けて進められます。顔の変化が現れるタイミングは、これらの段階と関連しています。
初期段階(治療開始から3〜6ヶ月)では、歯の位置の微細な変化が始まりますが、顔の印象に大きな変化はまだ現れないことが多いです。この時期は歯並びの変化を実感し始める段階で、顔の変化はこれからです。
中期段階(治療開始から6ヶ月〜1年)になると、前歯の位置が明確に変化し始め、口元の印象に変化が現れることがあります。特に出っ歯や受け口の治療では、この時期に顔の変化を実感される方が多いです。
後期段階(治療開始から1年以降)では、歯列全体のバランスが整ってくるため、顔の印象がさらに改善されることがあります。最終的な顔の変化は、治療完了時(装置を外した後)に最も明確になります。
年齢による変化の違い
矯正治療による顔の変化は、年齢によっても大きく異なります。成長期のお子さんの場合、顎の成長自体を誘導できるため、顔の骨格的な変化が期待できます。これにより、顔立ちの変化が大きく現れることがあります。
一方、成人の場合は骨格自体の大きな変化は期待できませんが、歯の位置の変化による軟組織(唇や頬)の変化は十分に期待できます。特に前歯の位置が変わることで、口元の印象が大きく改善されることがあります。
成長期のお子さんでは比較的短期間(1〜2年)で顔の変化が現れることがありますが、成人の場合はより時間がかかることがあります。しかし、最終的な変化の満足度は年齢に関わらず高いことが多いです。
矯正治療で得られる顔立ちの変化のメリット
矯正治療による顔立ちの変化には、美容的・機能的な面で様々なメリットがあります。ここでは主なメリットを3つご紹介します。
美しい横顔(Eライン)の獲得
矯正治療によって歯並びや顎の位置が改善されると、横顔のバランスが整います。特にEライン(鼻先と顎の先端を結んだライン)と唇のバランスが整うことで、美しい横顔を手に入れることができます。
日本人の場合、理想的なEラインは、上唇と下唇がラインに軽く触れるか、わずかに内側にある状態とされています。矯正治療によってこのバランスに近づくことで、横顔の印象が大きく向上します。
美しい横顔は、写真映りの良さにも直結するため、SNS時代の現代では特に重要視されています。
顔の筋肉バランスの改善
噛み合わせが悪いと、顔の筋肉のバランスも崩れがちです。例えば、片側だけで噛む癖があると、使用する側の筋肉が発達し、顔が非対称になることがあります。
矯正治療によって噛み合わせが改善されると、顔の筋肉の使い方も均等になり、顔の左右対称性が向上することがあります。これにより、より調和のとれた顔立ちになることが期待できます。
また、噛み合わせの改善は顎関節への負担も軽減するため、顎関節症の予防・改善にもつながります。これは見た目だけでなく、健康面でも大きなメリットです。
自信の向上と心理的効果
歯並びや顔立ちの改善は、見た目の変化だけでなく、心理的な効果も大きいです。多くの患者さんが、矯正治療後に自分の笑顔に自信を持てるようになったと報告しています。
自分の顔立ちに自信を持てるようになると、人とのコミュニケーションも積極的になり、社会生活の質が向上することがあります。特に、歯並びや顔立ちにコンプレックスを抱えていた方にとって、この心理的効果は非常に大きいものです。
私の臨床経験でも、治療後に「人前で笑うことが怖くなくなった」「写真を撮られるのが楽しくなった」という声をよく聞きます。これは矯正治療の大きな価値の一つだと感じています。
矯正治療で起こり得る顔立ちの変化の注意点
矯正治療による顔立ちの変化には多くのメリットがありますが、いくつか注意すべき点もあります。期待通りの結果を得るためには、これらの点を理解しておくことが重要です。
個人差があることを理解する
矯正治療による顔の変化は、個人によって大きく異なります。同じような歯並びの問題を持つ方でも、骨格の特徴や筋肉の付き方、皮膚の厚さなどによって、治療後の顔の印象は変わってきます。
また、年齢によっても変化の度合いは異なります。成長期のお子さんでは骨格的な変化も期待できますが、成人では主に軟組織(唇や頬)の変化が中心となります。
矯正治療を検討する際は、担当医とよく相談し、ご自身のケースでどの程度の顔の変化が期待できるのか、具体的にイメージを共有することが大切です。
一時的な違和感が生じることも
矯正治療の過程では、歯や顎の位置が変化するため、一時的に顔の印象に違和感を覚えることがあります。特に治療の中間段階では、まだ全体のバランスが整っていないため、違和感を感じやすいです。
これは治療過程の一時的な状態であり、最終的には調和のとれた顔立ちになることが多いです。しかし、この一時的な違和感に不安を感じる方もいらっしゃいますので、治療前に担当医から十分な説明を受けておくことが重要です。
矯正治療の限界を知っておく
矯正治療には限界もあります。特に成人の場合、骨格自体の大きな変化は期待できないため、骨格的な問題が大きい場合は、歯科矯正だけでは理想的な顔立ちを得られないこともあります。
重度の骨格的な不調和がある場合は、外科的矯正治療(顎矯正手術と矯正治療の併用)が必要になることもあります。治療前に、ご自身のケースでどこまでの改善が期待できるのか、限界も含めて理解しておくことが大切です。
まとめ:美しい歯並びと調和のとれた顔立ちのために
歯科矯正は単に歯並びを整えるだけでなく、顔立ちの調和にも大きく貢献します。特に出っ歯や受け口といった状態では、矯正治療によって顔の印象が大きく改善されることがあります。
矯正治療による顔立ちの変化のメカニズムは、顎の位置の改善、歯並びの変化による口元の変化、噛み合わせの改善による筋肉バランスの変化など、複数の要素が組み合わさったものです。これらの変化により、横顔のラインが整い、より調和のとれた顔立ちになることが期待できます。
ただし、矯正治療による顔の変化には個人差があり、年齢や骨格的特徴によっても異なります。また、矯正治療にも限界があるため、治療前に担当医と十分に相談し、期待できる変化について具体的にイメージを共有することが重要です。
美しい歯並びと調和のとれた顔立ちは、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせの機能改善や自信の向上にもつながります。ご自身に合った矯正治療を選び、健康的で美しい笑顔を手に入れましょう。
矯正治療についてさらに詳しく知りたい方や、ご自身の歯並びや顔立ちの改善について相談したい方は、ぜひ専門医にご相談ください。私たちノアデンタルクリニックでは、一人ひとりに合わせた最適な矯正治療プランをご提案しています。まずは無料カウンセリングで、あなたの理想の笑顔について一緒に考えてみませんか?

ノアデンタルクリニック院長
渡辺 徹也Watanabe Tetsuya
略歴
- 2000年朝日大学歯学部卒
- 2001年朝日大学歯学部歯学研究科(歯周病学専攻)入学
- 2005年同 修了(歯学博士)
- 2005年~土田歯科医院に勤務
朝日大学歯周病学講座 非常勤講師 併任 - 2009年~土田歯科医院 退職 非常勤に(矯正治療担当)
- 2009年4月ノアデンタルクリニックを開設
- 2012年8月ノアデンタルクリニック・ホワイトエッセンスに改名
- 2014年4月保険医療機関指定を辞退 自費専門医院に
- 2024年4月医療法人スマイルアークとして法人化
研修
- 藤本順平先生 補綴・咬合コース 修了
- 弘岡秀明先生 歯周病コース 修了
- 堀田康記先生 インプラントコース 修了
- 石井宏先生 歯内療法コース 修了
- 高橋登先生 レジン修復コース 修了
- 三根治先生 歯列矯正コース 修了
- 尾谷幸治先生 医療面接コース 修了
- Dowen Birkhed/Peter Lingstrom教授
むし歯(予防)学コース 修了 - 秋山勝彦先生 マイクロスコープ歯周病コース 修了
所属学会
- 日本歯周病学会
- 日本口腔インプラント学会
- 日本顕微鏡歯科学会
- 宮崎インプラント研究会(2005-2008)
- 愛知インプラントセンター(2007-)
- 歯科臨床研鑽会 役員
- Journal Club
- 株式会社松風 プロダクトアドバイザー
その他
- 朝日大学歯周病学講座 非常勤講師
- 日本歯周病学会認定医
- 日本顕微鏡歯科学会
- 日本顕微鏡歯科学会認定医
- 第2種滅菌技士
- 歯科臨床研鑽会 役員
- 同マイクロスコープstep-upセミナー講師( ダイレクトボンディング担当)
