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大人の矯正治療、種類と選び方の完全ガイド~あなたに最適な方法は?
大人の矯正治療が人気の理由と選ぶ際のポイント
「もっと自信を持って笑いたい」「人前で口元を隠さずに話したい」
そんな願いを持つ大人の方が、年々増えています。かつては子どもの専門だと思われていた歯列矯正ですが、今では20代から60代まで幅広い年齢層の方が矯正治療を受けられています。
大人になってからの矯正治療は、単に見た目を美しくするだけではありません。噛み合わせの改善によって、肩こりや頭痛の軽減、顎関節症の予防、食べ物の咀嚼効率の向上など、全身の健康にも良い影響をもたらすことがわかっています。
しかし、いざ矯正治療を始めようと思っても、種類が多すぎて選べない方も多いのではないでしょうか。
「目立たない矯正がいいけど、効果はあるの?」「費用対効果の高い矯正方法は?」「自分の歯並びにはどの矯正が向いているの?」
このような疑問にお答えするため、今回は大人の矯正治療の種類と選び方について、20年以上の矯正治療経験を持つ歯科医師の視点からご説明します。あなたに最適な矯正方法を見つける手助けになれば幸いです。

大人の矯正治療の主な種類とそれぞれの特徴
大人の矯正治療には、大きく分けて4つの種類があります。それぞれに特徴があり、メリット・デメリットが異なります。
まずは各矯正方法の特徴を理解し、ご自身の状況や希望に合った方法を見極めることが大切です。
表側矯正(ワイヤー矯正)
表側矯正は、最も一般的で歴史の長い矯正方法です。歯の表側に装置を付け、ワイヤーで歯を動かしていきます。
金属製のブラケットを使用する従来のタイプと、目立ちにくい白や透明のセラミック製ブラケットを使用するタイプがあります。
表側矯正の最大の利点は、あらゆる症例に対応できる高い治療効果です。複雑な歯の動きも精密にコントロールできるため、重度の不正咬合でも確実に治療できます。
一方で、見た目が気になる方にとっては、装置が目立つことがデメリットとなります。また、装置が食べ物に触れるため、食事制限が必要になることもあります。
費用面では、保険適用の場合は比較的リーズナブルですが、セラミック製など審美性の高いタイプは自費診療となり、30〜80万円程度かかることが一般的です。
裏側矯正(ワイヤー矯正)
裏側矯正は、歯の裏側(舌側)に装置を付ける矯正方法です。外からは装置がほとんど見えないため、見た目を気にする方に人気があります。
最大のメリットは、矯正中でも装置が目立たないことです。仕事や対人関係で見た目を重視する方に適しています。表側矯正と同様に、さまざまな症例に対応できる高い治療効果があります。
しかし、装置が舌に触れるため、慣れるまで発音しづらかったり、舌に違和感を感じたりすることがあります。また、歯の裏側は表側より清掃が難しいため、より丁寧なブラッシングが必要です。
費用は自費診療となり、80〜150万円程度と高額になる傾向があります。これは、裏側矯正用の特殊な装置を使用することや、技術的に難易度が高いことが理由です。
ハーフリンガル矯正(ワイヤー矯正)
ハーフリンガル矯正は、上の歯は裏側、下の歯は表側に装置を付ける「ハイブリッド」な矯正方法です。
笑ったときに見える上の歯は裏側矯正で目立たなくし、あまり見えない下の歯は表側矯正で治療効率を上げるという、バランスの取れた方法です。
メリットは、完全な裏側矯正よりも費用を抑えられることと、発音の問題が少ないことです。下の歯の裏側は特に舌が当たりやすいため、この部分を表側にすることで快適さが向上します。
デメリットは、下の歯の装置が見えることと、上下で異なる装置を使用するため、歯科医師の高い技術が必要なことです。
費用は自費診療となり、60〜120万円程度が一般的です。完全な裏側矯正よりは安価ですが、表側矯正よりは高額になります。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明なプラスチック製のマウスピース(アライナー)を使用する最新の矯正方法です。1〜2週間ごとに少しずつ形状の異なるマウスピースに交換しながら、徐々に歯を動かしていきます。
最大のメリットは、透明で目立たないことと、取り外しが可能なことです。食事や歯磨きの際にマウスピースを外せるため、食事制限がなく、口腔衛生も保ちやすいという利点があります。
一方、複雑な症例や重度の不正咬合には不向きな場合があります。また、1日21時間以上の装着が必要で、自己管理能力が求められます。
費用は自費診療となり、50〜100万円程度です。症例の複雑さや必要なマウスピースの数によって変動します。
マウスピース矯正は、審美性と快適さを重視する方に適していますが、歯の動きに制限があるため、すべての方に適用できるわけではありません。
どうですか?ここまで読んで、自分に合いそうな矯正方法が見えてきましたか?
大人の矯正治療を選ぶ際の7つの比較ポイント
矯正方法を選ぶ際には、以下の7つのポイントを比較することをおすすめします。ご自身の優先事項に合わせて検討してみてください。
1. 見た目(審美性)
矯正中の見た目を重視する場合は、マウスピース矯正か裏側矯正が最適です。特にマウスピース矯正は、ほとんど目立たないため、人前に出る機会が多い方に向いています。
セラミック製の表側矯正も、金属製に比べると目立ちにくいですが、完全に目立たなくなるわけではありません。
2. 治療効果と対応可能な症例
重度の不正咬合や複雑な歯の動きが必要な場合は、表側矯正や裏側矯正が適しています。これらは歯科医師が精密にコントロールできるため、高い治療効果が期待できます。
マウスピース矯正は、軽度から中等度の症例に適していますが、重度の症例では限界があることも事実です。
最近では、マウスピース矯正でも対応できる症例の幅が広がってきていますが、歯の大きな回転や垂直的な移動には制限があります。
3. 費用
費用面では、保険適用の表側矯正(金属製)が最も経済的です。ただし、保険適用には厳しい条件があり、多くの方は自費診療となります。
自費診療の場合、一般的に表側矯正<マウスピース矯正≒ハーフリンガル矯正<裏側矯正の順で費用が高くなります。
ただし、矯正歯科医院によって料金設定は異なりますので、複数の医院で相談することをおすすめします。
4. 治療期間
治療期間は症例の複雑さによって大きく異なりますが、一般的に表側矯正が最も効率的で、1.5〜2年程度が目安です。
裏側矯正は技術的な制約から、表側よりもやや長くなる傾向があります。マウスピース矯正も、複雑な動きには時間がかかるため、同程度の症例では表側矯正より長期化することがあります。
5. 痛みや違和感
どの矯正方法でも、歯が動く際に多少の痛みや違和感は避けられません。しかし、その程度は方法によって異なります。
マウスピース矯正は、一度に動かす量が少なく調整できるため、比較的痛みが少ないと言われています。裏側矯正は舌への違和感が大きく、慣れるまでに1〜2週間かかることがあります。
表側矯正は、頬の内側への当たりによる違和感がありますが、専用のワックスを使用することで軽減できます。
6. お手入れのしやすさ
口腔衛生の維持のしやすさでは、取り外し可能なマウスピース矯正が最も優れています。通常通りの歯磨きができるため、虫歯や歯周病のリスクを最小限に抑えられます。
表側矯正と裏側矯正は、装置の周りの清掃が難しく、特に裏側矯正は歯の裏側の清掃が困難なため、より丁寧なケアが必要です。
矯正治療中は口腔内環境が変化するため、どの方法を選んでも通常より丁寧な歯磨きが求められます。
7. 通院頻度
通院の頻度は、表側矯正と裏側矯正では月1回程度、マウスピース矯正では2〜4ヶ月に1回程度が一般的です。
マウスピース矯正は、あらかじめ複数のマウスピースを受け取り、自分で交換していくため、比較的通院回数が少なくて済みます。
忙しい方や遠方にお住まいの方には、通院頻度の少ないマウスピース矯正が便利かもしれません。
あなたにとって、これらのポイントのうちどれが最も重要ですか?優先順位を決めることで、最適な矯正方法が見えてくるでしょう。
矯正治療を始める前に確認すべき重要事項
矯正治療は長期間にわたる治療です。始める前に、以下の重要事項を確認しておくことをおすすめします。
矯正歯科医の経験と専門性
矯正治療の成功には、歯科医師の経験と技術が大きく影響します。日本矯正歯科学会の認定医や専門医の資格を持つ歯科医師は、一定水準以上の技術と知識を持っていると言えます。
また、希望する矯正方法の症例数や実績も重要なポイントです。特に裏側矯正やマウスピース矯正は、技術的に難易度が高いため、経験豊富な歯科医師を選ぶことが大切です。
治療計画と期間の明確化
治療を始める前に、具体的な治療計画と予想される期間について、歯科医師から詳しい説明を受けることが重要です。
「どのような手順で治療を進めるのか」「抜歯は必要か」「治療期間はどのくらいか」「保定期間はどのくらい必要か」など、疑問点は遠慮なく質問しましょう。
矯正治療は一般的に1〜3年かかり、その後の保定期間も含めると長期的な関わりになります。明確な見通しを持つことで、心の準備もできます。
費用と支払い方法の確認
矯正治療は高額になることが多いため、事前に総費用と支払い方法を確認しておくことが大切です。
初診料、検査料、装置代、調整料、保定装置代など、どの費用が含まれているのかを明確にしましょう。また、分割払いやローンなどの支払い方法についても確認しておくと安心です。
予期せぬ追加費用が発生する可能性についても、事前に説明を受けておくことをおすすめします。
治療中の注意点と生活への影響
矯正治療中は、食事制限や口腔ケアの方法など、日常生活に影響する点がいくつかあります。特に表側矯正と裏側矯正では、硬いものや粘着性の高い食べ物を避ける必要があります。
また、装置の破損や脱落時の対応方法、緊急時の連絡先なども確認しておくと安心です。
矯正治療は長い旅路です。信頼できる歯科医師と二人三脚で進めていくことが、成功への近道と言えるでしょう。

大人の矯正治療Q&A:よくある疑問と回答
最後に、患者さんからよく寄せられる質問とその回答をまとめました。矯正治療を検討する際の参考にしてください。
Q1: 大人でも矯正治療は効果がありますか?
はい、大人でも十分に効果があります。歯の移動のメカニズムは年齢に関係なく機能するため、子どもと同様に歯並びを改善できます。
ただし、成長期を過ぎているため、顎の骨格自体を大きく変えることは難しくなります。また、年齢とともに骨の代謝が遅くなるため、子どもに比べて治療期間が長くなる傾向があります。
それでも、多くの大人の患者さんが満足のいく結果を得ています。見た目の改善だけでなく、噛み合わせの改善による機能的なメリットも大きいです。
Q2: 矯正治療中は痛みがありますか?
矯正治療では、歯が動き始める際に一時的な痛みや違和感が生じることがあります。特に装置の調整直後は、数日間の不快感を感じる方が多いです。
しかし、この痛みは一般的に軽度から中等度で、市販の鎮痛剤で対処できる程度です。また、現代の矯正技術は低い力で歯を動かすため、以前に比べて痛みは軽減されています。
痛みの感じ方には個人差がありますが、時間の経過とともに慣れていく方がほとんどです。痛みが強い場合は歯科医師に相談すれば、調整してもらえます。
Q3: 矯正治療後、歯は元に戻りませんか?
矯正治療後、適切な保定を行わないと歯が元の位置に戻る「後戻り」が起こる可能性があります。これを防ぐために、治療後は保定装置の使用が必要です。
保定装置には、取り外し式のリテーナーや、歯の裏側に固定するワイヤーなどがあります。歯科医師の指示に従って保定装置を使用することで、治療結果を長期間維持できます。
保定期間は個人差がありますが、多くの場合、最初の1〜2年は厳密な保定が必要で、その後も定期的な使用が推奨されます。中には生涯にわたる保定が必要なケースもあります。
Q4: 矯正治療中でも普通に食事ができますか?
矯正方法によって食事への影響は異なります。
表側矯正と裏側矯正では、硬いものや粘着性の高い食べ物(キャラメルやガム、固いせんべいなど)は装置の破損リスクがあるため避ける必要があります。また、前歯で食べ物を噛み切ることが難しくなるため、一口大に切るなどの工夫が必要です。
一方、マウスピース矯正は食事の際に装置を外すため、食事制限はほとんどありません。ただし、食後は歯磨きをしてから装置を装着する必要があるため、外出先での食事には注意が必要です。
どの方法でも、治療中は口腔衛生に特に気を配ることが大切です。
Q5: 矯正治療は保険が適用されますか?
日本では、矯正治療は原則として自費診療となります。ただし、顎変形症など一部の重度の症例では、健康保険が適用される場合があります。
保険適用の条件は非常に厳しく、顔面の著しい変形や重度の咬合異常など、機能的な問題が明確な場合に限られます。審美的な理由のみでの矯正は保険適用外です。
保険適用の可能性がある場合は、矯正専門医の診断と、場合によっては大学病院などでの精密検査が必要です。まずは矯正歯科医に相談してみることをおすすめします。
まとめ:あなたに最適な矯正治療を見つけるために
大人の矯正治療には、表側矯正、裏側矯正、ハーフリンガル矯正、マウスピース矯正など、さまざまな選択肢があります。それぞれに特徴があり、一長一短です。
最適な矯正方法は、歯並びの状態、ライフスタイル、予算、審美性への要望など、個人の状況によって異なります。重要なのは、自分の優先事項を明確にし、経験豊富な矯正歯科医と相談しながら決めることです。
矯正治療は長期間にわたる投資です。費用だけでなく、歯科医師の経験や相性、アフターケアの充実度なども考慮して、慎重に医院を選ぶことをおすすめします。
まずは無料相談やセカンドオピニオンを活用して、複数の医院で相談してみることが、後悔のない選択への第一歩です。
「堂々と笑って過ごせる人生」のために、あなたに最適な矯正治療が見つかることを願っています。
詳しい相談や無料カウンセリングをご希望の方は、ぜひ当院「ノアデンタルクリニック」にお越しください。20年以上の矯正治療経験を持つ院長が、あなたの歯並びの悩みに真摯に向き合います。ノアデンタルクリニックでは、無料矯正相談を随時受け付けております。

ノアデンタルクリニック院長
渡辺 徹也Watanabe Tetsuya
略歴
- 2000年朝日大学歯学部卒
- 2001年朝日大学歯学部歯学研究科(歯周病学専攻)入学
- 2005年同 修了(歯学博士)
- 2005年~土田歯科医院に勤務
朝日大学歯周病学講座 非常勤講師 併任 - 2009年~土田歯科医院 退職 非常勤に(矯正治療担当)
- 2009年4月ノアデンタルクリニックを開設
- 2012年8月ノアデンタルクリニック・ホワイトエッセンスに改名
- 2014年4月保険医療機関指定を辞退 自費専門医院に
- 2024年4月医療法人スマイルアークとして法人化
研修
- 藤本順平先生 補綴・咬合コース 修了
- 弘岡秀明先生 歯周病コース 修了
- 堀田康記先生 インプラントコース 修了
- 石井宏先生 歯内療法コース 修了
- 高橋登先生 レジン修復コース 修了
- 三根治先生 歯列矯正コース 修了
- 尾谷幸治先生 医療面接コース 修了
- Dowen Birkhed/Peter Lingstrom教授
むし歯(予防)学コース 修了 - 秋山勝彦先生 マイクロスコープ歯周病コース 修了
所属学会
- 日本歯周病学会
- 日本口腔インプラント学会
- 日本顕微鏡歯科学会
- 宮崎インプラント研究会(2005-2008)
- 愛知インプラントセンター(2007-)
- 歯科臨床研鑽会 役員
- Journal Club
- 株式会社松風 プロダクトアドバイザー
その他
- 朝日大学歯周病学講座 非常勤講師
- 日本歯周病学会認定医
- 日本顕微鏡歯科学会
- 日本顕微鏡歯科学会認定医
- 第2種滅菌技士
- 歯科臨床研鑽会 役員
- 同マイクロスコープstep-upセミナー講師( ダイレクトボンディング担当)
