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矯正中に歯が動かない原因と5つの改善ポイント
矯正治療を始めたものの、思うように歯が動いていないと感じることはありませんか?歯列矯正は、少しずつ歯を動かして理想的な歯並びを目指す治療です。しかし、人によって歯の動きには個人差があり、なかなか思うように進まないケースもあります。
矯正治療において歯の動きが悪いと感じる場合、そこには様々な原因が隠れています。単に「歯が動かない」と諦めてしまう前に、その理由を知ることが大切です。
矯正中に歯が動かない主な原因
矯正治療中に歯が思うように動かない場合、いくつかの原因が考えられます。それぞれの原因を理解することで、より効果的な対策を講じることができるでしょう。
歯の動きには個人差があり、同じ矯正装置を装着しても、人によって歯の移動速度は異なります。ある人はスムーズに歯が動く一方で、別の人はなかなか動かないこともあるのです。

1. 舌癖(ぜつへき)の影響
舌癖とは、無意識のうちに舌を歯に押し付けるなど、舌のクセのことです。特に前歯を舌で押す癖がある場合、矯正装置がかける力と反対方向に舌の力が働くため、歯が動きにくくなります。
空隙歯列(すきっ歯)や開咬、上顎前突(出っ歯)の方は、このような舌癖を持っていることが珍しくありません。
2. 強い咬合力
咬合力(こうごうりょく)とは、噛む力のことです。集中しているときや就寝中に歯を食いしばるクセがある人は、歯に強い力がかかるため、矯正装置の力が相殺されてしまいます。
特に噛み合わせが深く、噛んだときに下の前歯がほとんど見えない「過蓋咬合(かがいこうごう)」の方は注意が必要です。歯ぎしりや食いしばりがある場合も、歯の移動を妨げる要因となります。
3. アンキローシス
アンキローシスとは、歯と骨の間に存在するはずの歯根膜がなく、歯の根っこと歯槽骨が直接結合している状態です。
歯根膜は本来、歯と骨をつなぎ、栄養を運ぶクッション性の高い組織ですが、これが何らかの原因で失われると、歯と骨が直接くっついてしまいます。この状態では、矯正力をかけても歯がまったく動かなくなります。
アンキローシスの主な原因は、小さい頃の歯の外傷や歯周病などです。自覚症状がないため、矯正治療を始めるまで気づかないことも少なくありません。
歯が動きやすい人の特徴
反対に、歯が動きやすい人にはどのような特徴があるのでしょうか。これらの特徴を知ることで、自分の状態を改善するヒントになるかもしれません。
歯並びの問題が軽度
もともと歯並びの問題が軽度で、歯を動かす距離が短い場合は、歯が動きやすい傾向があります。動かす距離が短ければ短いほど、治療期間も短くなります。
新陳代謝が活発
歯列矯正における歯の移動は、歯の周辺組織の新陳代謝と深く関わっています。新陳代謝が活発であれば、歯も動きやすくなります。
規則正しい生活習慣や十分な栄養摂取、適度な運動は、全身の新陳代謝を高めるだけでなく、歯の移動にも良い影響を与えます。
口元に悪い癖がない
舌で歯を押す癖や頬杖をつく癖がない人は、余計な力が歯にかからないため、矯正装置の力がしっかりと伝わります。そのため、歯が動きやすくなります。
医師の指示をきちんと守れる
最も重要なのは、矯正歯科医の指示をきちんと守ることです。装置の使用時間や通院頻度などを守らないと、せっかく動き始めた歯も元に戻ってしまうことがあります。
矯正中に歯が動かない場合の5つの改善ポイント
歯が動きにくい原因が分かったところで、次は具体的な改善方法を見ていきましょう。以下の5つのポイントを意識することで、矯正治療の効果を高めることができます。
1. 口腔衛生管理の徹底
歯垢や歯石は、歯の動きに悪影響を与える大きな要因です。歯磨きが不十分だったり、定期的なクリーニングを怠ったりすると、歯茎に炎症が生じ、歯が正しい方向へ動きにくくなります。
毎日の丁寧な歯磨きと、定期的な歯科検診で歯垢や歯石を除去することが大切です。矯正装置があると歯磨きが難しくなりますが、それでも徹底的に行いましょう。
2. 生活習慣の改善
新陳代謝を高めるために、規則正しい生活習慣を心がけましょう。十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動は、全身の健康だけでなく、歯の動きにも良い影響を与えます。
特にカルシウムやビタミンDなどの栄養素は、骨のリモデリング(再構築)に重要な役割を果たします。これらの栄養素をしっかりと摂取することで、歯の移動がスムーズになる可能性があります。
3. 舌癖や口腔習癖の改善
舌で歯を押す癖や頬杖をつく癖がある場合は、意識的に改善するよう心がけましょう。自分では気づきにくい癖もあるため、矯正歯科医に相談し、適切なアドバイスを受けることが大切です。
就寝中の舌癖などは自分ではコントロールできないため、必要に応じて舌の位置を矯正する装置を使用することもあります。
4. 咬合力のコントロール
歯ぎしりや食いしばりがある場合は、ナイトガードなどの装置を使用して、歯にかかる力を分散させることが効果的です。ストレス管理も重要で、リラクゼーション技法やストレッチなどを取り入れると良いでしょう。
また、硬い食べ物を控えめにすることで、歯にかかる負担を減らすことができます。
5. 定期的な通院と医師の指示の遵守
矯正治療の成功には、定期的な通院と医師の指示を守ることが不可欠です。装置の調整や治療計画の見直しなど、専門家のサポートを受けながら進めていくことが重要です。
特に歯の動きが悪い場合は、その原因を特定し、適切な対策を講じるために、歯科医師とのコミュニケーションが欠かせません。

アンキローシスが疑われる場合の対応
アンキローシスが疑われる場合は、特別な対応が必要になります。アンキローシスは自覚症状がないため、矯正治療を始めてから発見されることが多いです。
診断方法
アンキローシスの診断は、レントゲン検査やCT検査、打診検査などによって行われます。ただし、初期段階では発見が難しいこともあります。
矯正治療を開始して、他の歯は動いているのに特定の歯だけが全く動かない場合は、アンキローシスを疑う必要があります。
治療アプローチ
アンキローシスの歯は矯正力だけでは動かすことができません。そのため、治療計画の見直しが必要になります。
場合によっては、外科的な処置や補綴治療(被せ物や詰め物による修復)を組み合わせることで、見た目や機能を改善することがあります。
まとめ
矯正中に歯が動かない原因には、舌癖や強い咬合力、アンキローシスなど様々な要因があります。これらの原因を理解し、適切な対策を講じることで、矯正治療の効果を高めることができます。
歯の動きに不安を感じたら、自己判断せずに矯正歯科医に相談することが大切です。専門家の適切なアドバイスを受けながら、理想の歯並びを目指しましょう。
矯正治療は長期間にわたるものですが、適切なケアと生活習慣の改善によって、より効果的な治療結果を得ることができます。あなたの素敵な笑顔のために、ぜひ参考にしてみてください。
詳しい矯正治療についてのご相談は、岐阜市の自由診療専門歯科医院「ノアデンタルクリニック・ホワイトエッセンス」にお気軽にお問い合わせください。矯正治療歴20年以上の院長が、あなたに合った最適な治療プランをご提案いたします。
ノアデンタルクリニックでは無料矯正相談も受け付けておりますので、まずはお気軽にご予約ください。

ノアデンタルクリニック院長
渡辺 徹也Watanabe Tetsuya
略歴
- 2000年朝日大学歯学部卒
- 2001年朝日大学歯学部歯学研究科(歯周病学専攻)入学
- 2005年同 修了(歯学博士)
- 2005年~土田歯科医院に勤務
朝日大学歯周病学講座 非常勤講師 併任 - 2009年~土田歯科医院 退職 非常勤に(矯正治療担当)
- 2009年4月ノアデンタルクリニックを開設
- 2012年8月ノアデンタルクリニック・ホワイトエッセンスに改名
- 2014年4月保険医療機関指定を辞退 自費専門医院に
- 2024年4月医療法人スマイルアークとして法人化
研修
- 藤本順平先生 補綴・咬合コース 修了
- 弘岡秀明先生 歯周病コース 修了
- 堀田康記先生 インプラントコース 修了
- 石井宏先生 歯内療法コース 修了
- 高橋登先生 レジン修復コース 修了
- 三根治先生 歯列矯正コース 修了
- 尾谷幸治先生 医療面接コース 修了
- Dowen Birkhed/Peter Lingstrom教授
むし歯(予防)学コース 修了 - 秋山勝彦先生 マイクロスコープ歯周病コース 修了
所属学会
- 日本歯周病学会
- 日本口腔インプラント学会
- 日本顕微鏡歯科学会
- 宮崎インプラント研究会(2005-2008)
- 愛知インプラントセンター(2007-)
- 歯科臨床研鑽会 役員
- Journal Club
- 株式会社松風 プロダクトアドバイザー
その他
- 朝日大学歯周病学講座 非常勤講師
- 日本歯周病学会認定医
- 日本顕微鏡歯科学会
- 日本顕微鏡歯科学会認定医
- 第2種滅菌技士
- 歯科臨床研鑽会 役員
- 同マイクロスコープstep-upセミナー講師( ダイレクトボンディング担当)
