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マウスピース矯正中の食事と飲み物|注意すべき7つのポイント
マウスピース矯正は、目立たない透明な装置で歯並びを整えられる人気の矯正方法です。しかし、治療期間中の食事や飲み物については、いくつか注意すべきポイントがあります。
「マウスピースを装着したまま食事をしても大丈夫?」「コーヒーや紅茶は飲めるの?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、マウスピース矯正中に気をつけるべき食事と飲み物に関する7つの重要ポイントを、歯科医師の立場から詳しく解説します。正しい知識を身につけて、効果的な矯正治療を進めていきましょう。

マウスピース矯正中の食事の基本ルール
マウスピース矯正の大きな特徴は、装置を取り外して食事ができることです。これはワイヤー矯正と比較した際の大きなメリットの一つです。
しかし、自由に取り外せるからといって、何も考えずに食事をしても良いわけではありません。マウスピース矯正中の食事に関する基本ルールを押さえておきましょう。
食事中はマウスピースを必ず外す
マウスピース矯正中の最も重要なルールは、食事をする際に必ずマウスピースを外すことです。これは「インビザライン」や「hanaravi」など、どの種類のマウスピース矯正でも同じことが言えます。
マウスピースを装着したまま食事をすると、以下のようなリスクが生じます。
- マウスピースが破損・変形する可能性がある
- マウスピースに食べ物の色が付着し、変色する
- マウスピースと歯の間に食べかすが入り込み、虫歯や歯周病のリスクが高まる
マウスピースは精密に設計された医療装置です。破損や変形が起こると、治療計画に影響を及ぼし、治療期間が延びたり追加費用が発生したりする可能性があります。
食後は歯磨きをしてからマウスピースを装着
食事の後は、歯磨きをしてからマウスピースを装着することが大切です。歯の表面に食べかすや糖分が残った状態でマウスピースを装着すると、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
マウスピースは歯全体を覆うため、唾液による自浄作用が働きにくくなります。そのため、食後の歯磨きは通常よりも重要になるのです。
外出先で歯磨きが難しい場合は、少なくとも水でしっかりうがいをしてから装着するようにしましょう。
マウスピース矯正中に注意すべき飲み物
マウスピース矯正中の飲み物選びも重要なポイントです。飲み物の種類によっては、マウスピースを外す必要があります。
マウスピース装着中に飲んでもよい飲み物
マウスピースを装着したまま飲んでも良い飲み物は基本的に「水」のみです。水であれば、マウスピースを装着したままでも問題ありません。
また、無糖の炭酸水も装着したまま飲むことができます。ただし、フレーバー付きの炭酸水は糖分や酸が含まれている場合があるので、成分表示を確認しましょう。
水分補給は健康維持に欠かせませんので、マウスピースを装着したまま水を飲めるのは大きなメリットです。
マウスピース装着中に避けるべき飲み物
以下の飲み物は、マウスピースを装着したまま飲むことは避けるべきです。
- 色の濃い飲み物(コーヒー、紅茶、赤ワイン、コーラなど)
- 熱い飲み物(熱いお茶、コーヒーなど)
- 糖分を含む飲み物(ジュース、スポーツドリンク、甘い炭酸飲料など)
- 酸性の強い飲み物(柑橘系ジュース、一部の炭酸飲料など)
色の濃い飲み物はマウスピースを着色させる原因になります。着色したマウスピースは見た目が悪くなるだけでなく、清潔感も損なわれます。
熱い飲み物はマウスピースを変形させる可能性があります。マウスピースは熱に弱い素材でできているため、熱いものを飲むときは必ず外しましょう。
糖分を含む飲み物や酸性の強い飲み物は、マウスピースと歯の間に入り込み、虫歯や歯のエナメル質の損傷を引き起こす可能性があります。
マウスピース矯正中の食事で気をつけるべき7つのポイント
マウスピース矯正中の食事と飲み物について、特に注意すべき7つのポイントをまとめました。これらを守ることで、矯正治療をスムーズに進めることができます。
1. 装着時間を確保する
マウスピース矯正は1日20時間以上の装着が必要です。食事や間食の時間が長くなると、必要な装着時間を確保できなくなる可能性があります。
食事は時間を決めて効率的に摂るようにし、だらだらと長時間食べ続けることは避けましょう。間食も必要最小限にとどめることで、装着時間を確保できます。
装着時間が不足すると、歯の移動が計画通りに進まず、治療期間が延びる可能性があります。
2. 外出先での対応を準備する
外出先での食事の際も、マウスピースを外して適切に保管することが重要です。専用のケースを常に持ち歩き、清潔に保管しましょう。
また、外出先でも歯磨きができるよう、携帯用の歯ブラシやマウスウォッシュを持参するとよいでしょう。どうしても歯磨きができない場合は、水でしっかりうがいをするだけでも効果があります。
紙ナプキンにマウスピースを包むと、誤って捨ててしまう可能性があるので避けましょう。必ず専用ケースに保管してください。
3. 色素の強い食べ物に注意する
カレー、トマトソース、醤油などの色素の強い食べ物は、歯に色素が付着しやすくなります。マウスピースを外して食べることで装置への着色は防げますが、歯自体に色が付くと、マウスピースを装着した際に目立つことがあります。
色素の強い食べ物を摂取した後は、可能であれば歯磨きをして、色素が歯に定着するのを防ぎましょう。すぐに歯磨きができない場合は、水でよくうがいをすることも効果的です。

4. 硬い食べ物の食べ方に気をつける
マウスピース矯正中は基本的に食事制限はありませんが、歯が動いている最中は一時的に歯がぐらつくことがあります。そのため、硬いものを噛む際には注意が必要です。
ナッツ類や堅い野菜、固いパンなどを食べる際は、小さく切るなどして工夫しましょう。歯に過度な負担をかけると、痛みを感じることがあります。
5. 装着前の歯磨きを徹底する
食後にマウスピースを装着する前の歯磨きは非常に重要です。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシも活用して、歯と歯の間の食べかすもしっかり除去しましょう。
フッ素入りの歯磨き粉を使用すると、虫歯予防の効果が高まります。また、マウスピース自体も清潔に保つために、装着前に水洗いするなどのケアを行いましょう。
歯磨きを怠ると、マウスピースの中で細菌が繁殖し、虫歯や歯周病のリスクが高まります。また、口臭の原因にもなるので注意が必要です。
6. 飲み会や外食時の対応を考える
飲み会や外食が多い方は、マウスピース矯正中の過ごし方を工夫する必要があります。長時間の飲み会では装着時間が不足しがちになるため、注意が必要です。
飲み会の前後で装着時間を長めにとったり、水以外の飲み物を飲むときはマウスピースを外したりするなどの対応が必要です。また、外食先でもさりげなくマウスピースを外せるよう、事前に練習しておくとよいでしょう。
どうしても装着時間が確保できない日があっても、翌日以降にしっかり装着することで調整できます。ただし、頻繁に装着時間が不足すると治療効果に影響するので注意しましょう。
7. マウスピースの洗浄方法を知る
マウスピース自体の清潔を保つことも重要です。マウスピースの洗浄方法を正しく理解し、実践しましょう。
基本的には流水で洗い、必要に応じて専用の洗浄剤を使用します。熱湯での洗浄は変形の原因になるので避けてください。また、歯ブラシで強くこするとマウスピースに傷がつくことがあるので、優しく洗いましょう。
清潔なマウスピースを使用することで、口腔内の健康を維持し、快適な矯正生活を送ることができます。
マウスピース矯正中によくある質問
マウスピース矯正中の食事や飲み物に関して、患者さんからよく質問される内容をまとめました。
ストローを使えば色の濃い飲み物も大丈夫?
ストローを使うことで、飲み物が直接マウスピースに触れる量を減らすことはできますが、完全に防ぐことはできません。色の濃い飲み物や糖分を含む飲み物は、ストローを使用してもマウスピースを外して飲むことをおすすめします。
どうしてもマウスピースを外せない状況で飲む場合は、ストローを使うことで多少のリスク軽減にはなりますが、飲んだ後はできるだけ早く水でうがいをしましょう。
マウスピースを外し忘れて食事をしてしまった場合は?
万が一、マウスピースを装着したまま食事をしてしまった場合は、すぐにマウスピースを外して水洗いし、口の中もしっかり洗浄しましょう。
マウスピースに変形や破損がないか確認し、問題がなければ歯磨き後に再装着します。変形や破損が見られる場合は、すぐに歯科医院に相談してください。破損したマウスピースをそのまま使用すると、治療効果が得られないだけでなく、口腔内にも悪影響を及ぼす可能性があります。
マウスピース矯正中は痩せるって本当?
マウスピース矯正中は、食事や間食のたびにマウスピースを外す必要があるため、無意識的な間食が減る傾向があります。そのため、結果的に体重減少につながることがあります。
「食べる」という行為に一定の手間が生じるため、本当に必要な食事かどうかを考える時間が生まれます。また、食後の歯磨きが必須となることも、間食を控える要因になります。
ただし、ダイエット効果を期待してマウスピース矯正を選択するのは適切ではありません。あくまでも歯並びを整えることが主目的であり、食生活の変化は副次的な効果と考えるべきです。
まとめ:マウスピース矯正中の食事と飲み物の注意点
マウスピース矯正中の食事と飲み物に関する7つの重要ポイントを解説しました。最後にもう一度おさらいしましょう。
- 食事中は必ずマウスピースを外す
- 水以外の飲み物を飲むときもマウスピースを外す
- 食後は歯磨きをしてからマウスピースを装着する
- 1日20時間以上の装着時間を確保する
- 外出先でもマウスピースを適切に保管する
- 色素の強い食べ物や硬い食べ物に注意する
- マウスピースの清潔を保つ
これらのポイントを守ることで、マウスピース矯正の効果を最大限に引き出し、トラブルなく治療を進めることができます。矯正治療中の食生活に不安がある方は、ぜひ一度ノアデンタルクリニックにご相談ください。
マウスピース矯正は、日常生活に大きな制限を与えることなく歯並びを整えられる素晴らしい治療法です。正しい知識と習慣を身につけて、快適な矯正生活を送りましょう。
詳しい矯正治療についてのご相談は、ノアデンタルクリニックまでお気軽にお問い合わせください。あなたに最適な矯正治療プランをご提案いたします。

ノアデンタルクリニック院長
渡辺 徹也Watanabe Tetsuya
略歴
- 2000年朝日大学歯学部卒
- 2001年朝日大学歯学部歯学研究科(歯周病学専攻)入学
- 2005年同 修了(歯学博士)
- 2005年~土田歯科医院に勤務
朝日大学歯周病学講座 非常勤講師 併任 - 2009年~土田歯科医院 退職 非常勤に(矯正治療担当)
- 2009年4月ノアデンタルクリニックを開設
- 2012年8月ノアデンタルクリニック・ホワイトエッセンスに改名
- 2014年4月保険医療機関指定を辞退 自費専門医院に
- 2024年4月医療法人スマイルアークとして法人化
研修
- 藤本順平先生 補綴・咬合コース 修了
- 弘岡秀明先生 歯周病コース 修了
- 堀田康記先生 インプラントコース 修了
- 石井宏先生 歯内療法コース 修了
- 高橋登先生 レジン修復コース 修了
- 三根治先生 歯列矯正コース 修了
- 尾谷幸治先生 医療面接コース 修了
- Dowen Birkhed/Peter Lingstrom教授
むし歯(予防)学コース 修了 - 秋山勝彦先生 マイクロスコープ歯周病コース 修了
所属学会
- 日本歯周病学会
- 日本口腔インプラント学会
- 日本顕微鏡歯科学会
- 宮崎インプラント研究会(2005-2008)
- 愛知インプラントセンター(2007-)
- 歯科臨床研鑽会 役員
- Journal Club
- 株式会社松風 プロダクトアドバイザー
その他
- 朝日大学歯周病学講座 非常勤講師
- 日本歯周病学会認定医
- 日本顕微鏡歯科学会
- 日本顕微鏡歯科学会認定医
- 第2種滅菌技士
- 歯科臨床研鑽会 役員
- 同マイクロスコープstep-upセミナー講師( ダイレクトボンディング担当)
