お悩み相談
塩の入った歯磨き粉は効果があるのでしょうか?
こんばんは。
「つぶ塩」「つぶつぶ塩」といった塩の入った歯磨き粉を薬局などでよく見かけます。
パッケージを見てみますと、塩が歯周病予防に効き、歯ぐきをギュッとひきしめて歯肉炎・歯槽膿漏によるハレ・出血、口臭を防ぐ、と書いてありました。
気になりましたのでネットで調べてみました所、意見が分かれているようです。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q127011377
本当に効果があるのでしょうか。
回答
塩は収斂作用ですね。
引き締まる効果はあります。
塩が歯周病予防に効き、
予防には効かないです。
歯ぐきをギュッとひきしめて
何せ塩ですから、当然です。
歯肉炎・歯槽膿漏によるハレ・出血、口臭を防ぐ、と書いてありました。
これは事実でしょうね。
注意点は、病気の一症状をただ抑えているだけだということです。
歯肉炎・歯槽膿漏(※現在は歯周炎と呼びます)の原因はプラークですが、塩はプラークに対する効果ではなく、プラークによって引き起こされた炎症に対して、収斂効果によって腫れや出血といった炎症症状を見た目上抑えているということです。
風邪に例えると、風邪ウイルスが原因で風邪を引いて、鼻水が出るから鼻にティッシュを詰める、みたいな感じでしょうか。
原因に対するアプローチではなくて結果(症状)に対するアプローチであるということです。
つまり、歯ぐきの腫れを抑えるだけで良いなら塩も良いと思います。(ただし、使い続ける必要がありますし、歯周炎の進行も抑えられませんから、限度もあるでしょう)
歯周炎で歯を失いたくないのが目的でしたら、ご自身の丁寧なブラッシングや、専門家の補助による徹底したプラークコントロールが必要ですね。
あと歯磨剤の使用についても色々意見が出ていますが、歯周炎(の、原因)に対する明らかな有効成分というのは今のところありません。
フッ素は、むし歯の発生予防・進行予防に対する明らかで、唯一の有効成分ですから私は使用を勧めますが、むし歯予防に有効なフッ素濃度を確保しなくてはいけませんので、量は多め、うがいは少な目というのが専門家が指導する際のセオリーです。
イオン量から計算して、理想的には成人の場合で1.5~2g。
一度測って貰うと良いのですが、これは相当多いですよ。
参考⇒イエテボリ法
でも時々むし歯にはなりそうな気配が全くないのに歯周炎の治療や予防が必要な方がいらっしゃいますので、そういう場合は歯磨剤の使用は控えても構いませんし、あるいは歯周炎(の、原因)に有効かも?と言われる成分を含有した歯磨剤を勧める場合はあります。
が、むし歯も歯周炎もそれなりになりやすそうな方であれば、歯周炎の治療直後数年間はむし歯になる危険性が一気に跳ね上がりますので、取り敢えずフッ素は正しく利用しておくべきだと考えます。
研磨材についても色々言う人もいますが、嫌だったら含有していない製品を選べば済む話ですね。
いくらでも出ていますので。
(そもそも日本製のものは、海外の物よりも研磨性をかなり抑えています)
どちらかと言うと歯磨剤の清涼感で磨けてないのに磨けた気になってしまうのが問題ですから、その辺りをかかりつけの歯科衛生士さんにしっかり監督して貰えるのが理想的ですね。
しっかりプラークを落とせていて、なおかつフッ素もたっぷり利用する、と言うのが普通は一番良いと思います。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q127011377
も一応読みましたけど、↑の方は、医学の話とはおよそかけ離れてますので。。^^;