こんにちは。
歯ブラシで歯周ポケットを磨くCMがある(あった?)かと思うのですが、あれはいけません。
歯周ポケットの中に毛先を入れようとは絶対にしないで下さいね。
やっぱり歯ぐきが傷つきますので。
(気持ちいい・・・かも知れませんけど、お勧めはしません。。)
歯ブラシの当て方には色々な指導のされ方があって、バス法とかスクラッビング法、ローリング法、スティルマン改良法などなど・・でもどれでも結果に大差はありません。
ですが実際問題、歯周ポケットに毛先を突っ込もうとすると、歯ぐきを傷つけるのは当然として、それで汚れが落ちるのか、落とす必要があるのかについて私の意見を書きますね。
【歯周ポケットに毛先を突っ込んで汚れが落ちるか?】
テレビCMでは毛先がポケットの中で汚れをキャッチして、ポケットの外に出てからリリースしていますが、理屈で考えて有り得ませんよね?
逆に歯周ポケットの底に汚れを押し込むことはあっても、汚れを取れるとは考えにくいと思います。
フロスなら、上手に使えばもしかしたら掻き出してこれる可能性はありますが、一歩間違えれば逆にポケットの底に汚れを押し込む危険もあります。。
使用する場合はよくよく注意して下さい。
色々理由があるのですが、歯ぐきが下がっている様な方ならフロスよりは歯間ブラシの方が適していると考えられます。
【落とす必要があるか?】
過去の臨床研究から、ポケット内のブラッシングの必要性を示唆する様なデータはありません。(・・と思います)
正常な歯周ポケット(1〜3mmぐらい)であれば、ポケット内のブラッシングは敢えてしなくても健康な状態を保つことが十分出来ると考えられますし、不健康な歯周ポケット(4mm以上?)であれば磨こうと思っても磨ける深さではありません。
(可能性があるのは1〜2mm程度まで)
3mmぐらいまでのポケット内なら普通に歯磨きをしてあれば、ポケット底まで酸素が届きますから、歯周病の原因菌(酸素のない環境で繁殖する菌)の発育は十分予防出来る。
と言うイメージで考えて良いと思いますよ。
因みに酸素の届く環境では虫歯菌が繁殖する可能性がありますが、歯周ポケットの中は酸性には絶対にならないので、虫歯になることもありません。
つまり、3mmぐらいまでのポケットであれば、虫歯の原因にもならない、歯周病の原因にもならない菌しか存在できないので、(あっても害のない菌しかたまらないので)ブラッシングの必要性は特にないと考えられます。
・・以上が私の意見ですので、4〜6mmの歯周ポケットがある場合は、普通の歯ブラシをポケットには向けないことと、加えて使うとしたら歯間ブラシ(※フロスは20代までの虫歯予防でなら効果を発揮するかも知れません)が適していると思いますよ。
で、歯ブラシの届かないところの汚れに関しては、定期的に超音波スケーラー(目安は3ヶ月以内 ※保険は適用できません)などで歯科医院で掃除してもらって下さい。
本来は、SRPなり歯周外科も場合によっては行って、出来るだけ歯周ポケットを3mm以内ぐらいまでに全体的に抑えておければ理想的だと思います。
(※絶対に必要、という程ではありませんので、担当の先生・衛生士さんの判断を仰いで下さいね)
歯周病の治療を受けた方(歯ぐきの下がった方)にお勧めのブラッシング方法は以下の回答で写真つきで簡単に書いてますので、良かったらご覧下さい。
参考⇒歯磨きで下がった歯肉を治すには、移植手術しかない?
↑要は歯面の汚れが落とせれば何でも良いのですが、あくまで個人的なお勧め方法です。
(※色んな方法があるので一番やりやすい方法を選ばれて大丈夫ですよ)
これは「つっこみ磨き」と言って、毛先を歯周ポケットに向かない様に(逆斜め方向?)歯と歯の間に突っ込んで、毛先を振るわせる様にして磨く方法です。
参考までに。
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