日本人の特に女性は、歯ぐきが下がりやすいんですよね。。
メカニズムとして、これは多分ですが、
1・歯ブラシで傷つける
2・歯ぐきが再生する前にまた傷つける
3・削れて薄くなった歯ぐきに合わせて歯ぐきの裏打ちの骨が溶ける
4.その状態で落ち着いてしまう
という状況だと考えられます。
歯ぐきの再生というのはほんとは2-3日とかの短い期間なんですけど、2−3日置きに歯磨き・・という訳にも行きませんし。
で一度溶けてなくなってしまった骨は元には戻りません。
理屈で言えば歯ぐきだけを移植しても、裏打ちに骨がなければまた歯ぐきはなくなって行くはずです。
ですが確かに移植手術後長期に安定している症例というのも専門誌などでは見かけますが、厳密には歯ぐきじゃなくて瘢痕になってる可能性も・・
また、気づかずにやや深めの歯周ポケットを作っていることもあるという報告もあります。
ということで、ややこしかったと思いますが、歯ぐきの移植手術というのは医学的には多少無理をしてるんですね。
ですからそれなりにリスクを伴います。
1m以上も離れたところから他人が見て(普通は最低これぐらい距離がありますよね?)、気になる様なレベルでないなら、これ以上悪化しない様に気をつける他ないと思いますが・・・
(ブラッシングの改善によって数年かけて多少歯ぐきが戻るという症例もありますが、基本的には加齢とともにごくごくわずかながら下がっていくのが普通です)
なんだか脅かしたみたいになってしまいましたが、多少の危険を冒してでもやりたい!というのでしたら、歯周病専門医がいいと思います。
(専門医の探し方は以前に「侵襲性歯周炎かも?」で紹介しています)
歯ぐきが下がらない様に気を配ったブラッシングの方法として、一般的ではないのですが、毛先をわざと反対方向に向ける方法があります。
⇒参考:歯磨き教室
このページの一番下に、左斜め下45度に向けている図がありまずが、これを左斜め上45度にしちゃうんですね。
で、歯と歯のすきまにグッと突っ込んでしまって小刻みに振るわせる様に磨いてみて下さい・・わかりますか?
あとで画像も添付します。
ちょっと歯医者業界の中でもマイナーなブラッシング法になるので、こういう話もある・・程度で、うまく出来そうだったら(念のため歯垢染色もして確認して)続けてみて下さい。
私の個人的な意見ですが、専門的な理屈で考えれば、歯と歯ぐきの間の溝(歯肉溝、歯周ポケット)の中にまで歯ブラシを入れる必要はありませんし、歯ぐきも磨く必要はありません。
普通の磨き方だとむしろ歯ぐきを傷つけやすいですから、私が患者さんにブラッシング指導をする場合は全てこの様な当て方で指導していますよ。
良かったら試してみて下さい。
|