根管治療については、保険点数も異常なほど安く、患者さんも、治療を行う歯科医師自身も、やや軽視している感があります。
また治療の予後についても、新しい器具が出たり、半世紀以上ものデータの蓄積があるのですが、一向に目立った改善はなさそうです。
ところが治療が失敗となると、かぶせ物を外すなどの大掛かりで時間のかかる処置になることが多く、歯へのダメージも大きいですから、悩む人さんのお気持ちはよく分かります。
一般的に、根管治療の済んでいる歯に“問題”が見つかる確率(※ここで言う“問題”とは、自覚症状の有無ではなく、根っこの先に膿がたまっている様にレントゲンに写るか否かです)は、大体3本に1本ぐらいと言われます。日本だともう少し多いかも知れません。
根管治療後、レントゲン上で治癒傾向や悪化傾向の変化は、時間をかけてゆっくりと観察されます。いつ治療したものなら、その変化も落ち着き、結論を出せるのかと言いますと、大雑把に言って大体「4年以上前」と考えて良さそうです。
ですから、悩む人さんのお口の中には現在6本の根管治療済みの歯があるので、症状がなくても2本ぐらいはレントゲン上で膿がたまっている歯が見つかるかも知れません。
それらが4年以内に治療を受けた歯であるならもう少し経過を見た方がいいですし、4年以上経っているのなら安心出来る歯科医院で再治療を受けてもいいと思います。(再治療の成功率も決して良くはありません)
他の、問題なさそうな歯で、治療後4年以内のものについてはもう少し経過観察。4年以上経過しているものは、“成功”していると考えられるので、再治療の必要は特にないと思いますよ。
あとインプラントの安全性についてですが、これはもう本当にケースバイケースですから非常に難しいご質問です。
原則的には、残せる歯ならまずは残すことを第一に考えるのが良いと思います。
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