衛生士さんでもヘミセクションなんて単語分からないことがあるのに、歯チャンネラーのデンタルIQの高さには恐れ入ります・・・
(余談;保険上区別されてませんが、上顎の場合は根っこが3本(tri)のものを分割(section)するのでトライセクション(trisection)、下顎の根っこ2本のものを分割して半分(hemi)にするのをヘミセクション(hemisection)といいます。)
今回、お答えするのにはポイントがいくつかあります。非常に複雑に絡み合うので説明しづらいのですが、ちょっと説得力の弱いセカンドオピニオンとして読んで下さい。
1)ヘミセクションの予後
基本的にはあまり良くありません。カリエス(虫歯)になることが多いですから、「ほんとは抜かないといけない歯の延命処置」と考えて下さい。特に、近心頬側根(3本あるうちの、ほっぺた側の前側)のヘミセクション予定であれば、後のブラッシングが物凄くやりにくくなるのでやめた方がいいと思います。
2)ヘミセクションした歯を残すのに、隣の歯とつなぐべきか
ヘミセクションをすると、カメラの三脚の脚が1本なくなるのと同じですから、歯が揺れ始める可能性があります。揺れないかも知れませんが。その場合、隣の歯とつなげれば揺れは止まり、一時的な満足は得られるのですが、7番の延命処置のために健康な6番の寿命を短くしてしまう可能性も考えなくてはいけません。6番にもしもまだクラウンなどが入ってないのなら、気が引けます。
3)不快感の元なのか、はっきりしない
歯の痛みと感じている刺激の原因は、同じ左上の他の歯、左の肩や首、側頭などにある場合さえもあります。原因がはっきりと特定出来ない場合、後戻り出来る方法から順に試すか、症状がはっきりするまで待つ方がベターだと考えられます。
4)もしも予想通り根っこが折れてる場合どうなるのか
折れてる場所の運が良ければヘミセクションで対応できるかも知れません。運が悪ければ抜歯。それぞれの可能性はお話だけではわかりかねます。放っておいて痛みが強くなることはあっても、良くなることは有り得ませんが、隣の歯(6番)に悪影響が出ることはほとんど考えられません。
5)そもそも上あご7番は必要な歯か
普通のかみ合わせであれば、なくてもいい歯(※これは先生によって考えが違うことがあります) 一方隣の6番は、残せるなら絶対に残した方がいい歯(噛むのに一番使う歯)です。
7番の重要性をどのように考えるか、不快感がどの程度のものかによって治療方針は変わってくるかと思いますが、文面の印象からは、私の歯だったらヘミセクションは気が乗らないかなー といったところです。
しばらく様子を見て、完全に7番と確信が持てた時点でまず根っこの治療(根管治療)。それで根っこが折れてると確定したらもう抜いてしまう。といったところでしょうか。
ただこれは微妙な判断で、実際に見たり聞いたりしないと分からないことも多いですから、担当の先生のお考えもよく尊重して下さいね。
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