私の勤務先には高周波治療器ありますよ。H.Tさんの担当医の先生も、不採算の代表と言われる根っこの治療のために、そんな高額な設備投資をされて、立派な先生ですね。
おかげで多少の資料がありました。目を通してみたのですが、理屈はともかく効果については「あんなこともあった」「こんなこともあった」という感じです。根っこの治療以外にも歯周病や口腔乾燥症、顎関節症にアトピー、帯状疱疹などなど、とにかく色んなことに“良さそうだ。”という内容です。
ただH.Tさんもお察しの様子で、非常にするどい方だと感心したのですが、どんな機器や薬剤を使用するよりも先にまずはラバーダムも使って無菌的処置を。というのが本筋でしょうね。
このサイトにはラバーダムを使用した場合としない場合で治療の成功率の差がまとめてあります。(参考→ラバーダム)ですがその数字にはちょっとしたからくり(?)があります。
そもそもラバーダムを使わないと成功率はどうなるのか?といういわば人体実験は、極端に悪くなるとわかりきっているため、欧米ではおそらく「倫理的に問題あり」ということで、もうきちんとしたデータがありません。
ですから、ラバーダムの重要性が最初にはっきりしたおおもとの研究を探すとなんと1978年までさかのぼってしまいます。
しかもよく見ると、治療内容はラバーダムを使用せず・・ではなく、ラバーダムを使ったり使わなかったり・・なのです。(正確には初回治療の4年後の成功率で46%と書かれてます)
もちろん時代背景や、消毒の仕方などにもずいぶん違いがあるので一概には言いにくいですが、私の印象としては、ちょうど今の日本での一般的な根っこの治療と大差ない内容に思います。
さて、この研究では実は約半数にはラバーダムを使用していた訳ですが、後のラバーダムを使用して行っている研究とは決定的な違いがありました。それは、おそらく(明記されているわけではないのですが)ラバーダムを唾液がかからない様に出来ればいいや程度にしか使用してなかった点なのです。
ここから先は細かいテクニックの話になってしまうので割愛しますが。。
というわけで、情けない話なのですが、日本では患者さんはもちろん歯科医師さえもラバーダムの重要性を、全く理解しておらず、一人の患者さんがかかりつけの先生に、「今日は何がなんでもラバーダムを使ってください!」と訴えるだけでも実は不十分かも知れません。田尾先生の啓蒙活動に期待しているのですが。。。
ですから、そんな現状の中では、良い先生に巡り合えていると思います。
どうしても最高の根っこの治療を、と言われるのでしたら、保険でしっかりやられる先生はごくごく少数ですので、やっぱり(海外で教育を受けている)専門医を尋ねるべきだと思いますよ。(保険だと数千円で済む内容が何万円にもなりますがそれだけの価値はあります)
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