一応研究データからすれば、再根管治療の場合の消毒は1→2回目、2回目→3回目あたり(いずれも治療開始前に細菌数を確認)が細菌数が急に減って、それ以降の減少は僅かです。
また、根管治療を行う為に治療の時間、根管を開けること自体プラークや唾液等の細菌の混入のリスク、もっと言えば来院間の仮封材からの漏洩のリスクも考えられます。
あと来院間隔はどれぐらいが適切かという問題については、感染根管中に1〜2週間程度仮死状態を保って水酸化カルシウム製剤が効かないという菌がいる場合があるということも知られていますので、それ以上の期間を使って治療した方が良さそうですね。
更に、昔の研究ですが根管治療の成功率を調べた研究で、歯学部学生の行った治療(ラバーダムは当然使用してます)が意外に成績が良かったりして「時間をかけて消毒を行う」ことの重要性も示唆されていると考えます。
難しく考えなくても、やっていることは
「酷く汚れた複雑で細かい穴の消毒」
ですから、新しい汚れを入れない、ダラダラ回数をやっても意味がない、1回1回に時間を十分かける
というのがやはりポイントになるでしょうね。
以上のことから
@1回1回の治療時間を十分確保
(おそらく90分前後 特に初回が長い方が理想的)
A術中の余計な感染を避けるためのラバーダムは必須
B1〜2週間(以上)の通院間隔で、仮封をしっかりと
C3回程度で終える(難症例なら数回増えることも)
というのがおそらく"理想"と言えるのではないでしょうか。
ここに「保険の範囲内で」という条件がついてきますと、
@まず無理
Aかなり厳しい
B、C医院によりけり
ということになってきますので、そこを割りきって選ぶのが良いでしょうね。
個人的には、認定医云々よりもAがして貰えるのなら大分良いと思いますよ。
「消毒」ですから、
Aはして貰えずに@だけして貰えても不安ですし、AなしでBがやたら短いとか長いとか、Cがやたら多い場合もかえって怖い・・ということがご理解頂けるのではないでしょうか。
症状が消えないから・・という理由で長引かせるケースも多い様ですが、それまで本当にやるべきことやって手をつくしているのだとすれば、早いところ根管治療は一旦終わらせてしまって数ヶ月以上経過を観察し、経過不良であれば専門医に送るなり他の手段に変えるなりするべきだと思います。
あと因みに、再根管治療ではなくて生まれて初めて神経を抜く初回治療(抜髄)の場合でしたら、根管内は感染の状態ではなく、無菌状態ですから、1回〜2回で終われる方が理想的、という考え方になるはずですね。
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