悩ましいところですね。
細見先生がおっしゃる様に、根管治療について保険内、外の差というのは、材料的にはほとんどありません。
保険適用出来るかそうでないかの判断は、通常は材料の違いで決められますので、そういう言い方になります。
でも、保険の範囲内での治療計画としては抜歯で、自費(自由診療)も含めるなら保存、という判断は私はあり得ると思います。
ルール上、保険診療というのは懇切丁寧に行われます(行う義務がある)ので、決して手を抜いているとかそういうことではないのですが、一方で診療報酬も細かく決められています。
つまり、懇切丁寧に決まった診療報酬の範囲内で行われるのが保険診療、という理解になるかと思います。
これには少し相反する部分があって、懇切丁寧な処置というのはやればやるほど説明や処置に時間がかかるのですが、診療報酬が決まっているなら逆算的にかけられる時間の制限が出て来ます。
丁寧さと時間で優先度が高いのは採算に関わるところにどうしてもなってしまいますので、言い方を変えれば「制限時間内に出来る限り懇切丁寧に行う」のが保険診療であり、それは治療方針にも影響してくる場合があると思います。
ざっくりとした説明をするなら、保険診療の場合の根管治療は1回あたり10〜15分程度の制限時間なのに対して、自費治療だとそれが自由に設定が出来て、海外の専門医なら60〜90分ぐらいが一般的の様です。
根管治療というのは根管の中の「お掃除」ですので、例えるなら
ベテラン主婦の15分のお風呂掃除と、特別な訓練を受けているプロの90分のお風呂掃除ぐらいの差は出る可能性があります。
(高い費用だけ頂いてやっている内容は普通とかそれ以下、というのはあり得ますが)
特に今回の場合は、ベテラン主婦がお手上げ状態の汚れ具合、という状況だと思います。
ただルール上、時間をかけたいから自費、というのはかなり特殊な場合を除いて許されていませんので、根管治療を自費で受けたい場合は今回の様に自費專門の医院で受けるのが一般的になります。
それと、今回抜歯宣告を受けているのは前から数えて7番と8番(=親知らず)という意味ですよね?
抜いたとしても部分入れ歯を入れるケースはあまり多くないと思いますし、理想的ではないとしても抜歯後そのまま放置されることが多いような気もします。
治療方針を決定するには費用対効果も考える必要があると思いますので、諦めて抜いた場合の方針も含めて、これまでの先生や、場合によっては他の先生とも相談してみてもいいのではないでしょうか。
お大事にどうぞ。
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