こんにちは。歯オタクまっしぐらですね、僕はうるさい患者さん大好きですよ。
ご質問の内容がいよいよ専門的になってきたので、1.2.についてだけ、症例写真を交えながら説明します。(一般の方が対象の内容ではない気がしてきましたが・・)
ラバーウエッジはそういうわけでしたから、もっと一般的なトンネル法の話を。
(あんまりマニアックなの勘弁してください・・>タイヨウ先生)
Piccoroさんの様に咬合面に小さい修復物があってなおかつ隣接面にも虫歯がある場合には向いているかも知れません。
上あご7番の治療中の写真です。
Piccoroさんと同じで、咬合面にアマルガム、隣接面に虫歯のケースです。
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これは口蓋側(=裏側)から横向きにも削れたんじゃないかと言われるかも知れませんが、虫歯は入り口が小さく、奥で広くなる性質がありますから、口蓋側から削ったとするともっとたくさん削ることになります。普通は咬合面から削ることが多いと思います。
トンネル法のメリットは、削る量が小さいということよりも、“辺縁隆線”(=咬合面の端っこ)の自然なカーブ(この写真の場合だと、咬合面の一番6番よりの角)が破壊されないという点だと思います。(レジンで隣接面を充填する場合、辺縁隆線が角張ってしまい、見た目がかっこ悪くなったり、隙間が残って食べかすが詰まりやすくなりやすいので嫌われます。逆にトンネルで削ってしまえば充填は楽で、かっこよく決まります)
しかしデメリットもあって、写真で分かってもらえると思うのですが、虫歯を取り残しやすいこと、隣の歯を傷つけやすいこと、“辺縁隆線”のエナメル質にひびわれが出来やすいというリスクを負います(ちなみに、奥の方に茶色い歯質が見えます。この状態で検知液などは使用したあとで、虫歯は取り除いてあるのですが、“素人目”には残っている様に見えるかも知れませんね。)
ということで、ケースバイケースですが、トンネル法のデメリットを嫌う場合には、普通にレジン充填でも良いと思います。
下あごの5〜7番です。
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これは隣接面の虫歯ではなくてインレーのやりかえなのですが、辺縁隆線は大体きれいだと思います。ちょっと慣れた先生だったら、わざわざトンネル法にこだわらなくても、早く安全にこれぐらいの結果は得られると思います。
費用については私は保険でやってますが、上の症例で1時間弱、下の症例で90分前後かかりますから、勤務先院長には内緒ですが赤字です。
でもメタルインレーだけは入れたくないし・・・
うまい先生ならもっと早く済むでしょうから、必ずしも保険外ではないとは思うのですが、技術があって早いから保険。というのもなんだかおかしいですよね。
保険だったらメタルインレーの方が早くて簡単でお金にはなります。
あ、それと、レジン充填は口の中で直接やる方法ですから毎回うまくいくわけではありません。
充填した後に食べかすが詰まりやすいなどの不都合があった場合にはインレーに替えさせてもらいます。
タイヨウ先生にマイクロスコープで覗かれたら怒られそうですけど、この程度なら日本に数人ということはなく、各市町村に何人かぐらいはいらっしゃると思いますので、見つけるのは無理ではないと思いますよ。
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