基本的には、担当される先生のお考えをよく聞いた方が良い結果に繋がると思います。
重視する点や知識量、経験値がそれぞれですからね。
ジルコニアセラミックというのは、内面にジルコニアを使って、表面はセラミックと言う組み合わせだと思うのですけど、表面に持ってくるセラミックが従来型のセラミック(要はメタルボンドと表面はほぼ同じ)の場合と、e.maxという製品名の比較的新しいセラミック(二ケイ酸リチウムガラスというセラミック)を使う場合とで物性の話は大分変わってくるかと思います。
「高価なものだし硬いほど良い」
という意見は歯科医の中にも根強く、ある意味もっともなのですが、天然の歯は個人差はかなりあるものの時間とともにどんどん磨り減っていくものですから、その中に全くすり減らない材料(オールジルコニア)を使うというのも如何なものなのか? という意見もあります。
当院では今はe.maxがイチオシで、大臼歯でも内面にジルコニアを使うことはブリッジの場合以外ではないのですが、今のところ大きなトラブルはありません。(長くて4年程度)
e.maxの硬さは簡単に言えば天然歯より少し硬いぐらいの感じで、歯が磨り減るのと似た感じで削れていく様子が数年の間に確認出来ています。
参考→ジルコニア冠は対合歯に負担がかかり、e-maxは元の歯の色が透ける?
ジルコニアはおそらく、5年経ってもまったくすり減らないと思われます。
ただ、e.maxでもジルコニアでも指摘されていますが、経年的な物性の変化(経年劣化)の様なところで予測のつかない面がリスクとして確かにあるかと思います。
新しい材料は過去の材料よりも優れた面があるので登場してくる訳ですが、実績がないというのが必ず欠点として挙げられます。
一時「夢の新素材」の様にチヤホヤされても5〜10年後には消えているものが過去にいくつもありました。
実績(問題が見つかり、経験値が上がって改善もされてきているかどうか?という意味)で言うなら、個人的な印象で言うなら今のところジルコニアセラミックやe.maxはまずまずだと思うのですが、オールジルコニアはなんとなく信用出来ませんね。
従来型のメタルボンドでも確かに割れるケースもありますが、人工物が壊れること自体が必ずしも悪いこととも言い切れないと個人的には思います。
ジルコニアという素材が出てきた当初は表面に出すと(水分に触れると)劣化が激しいから内面にしか使ってはいけない、という話だったはずなのに、いつの間にか劣化しても物性は十分あるから表面まで全部ジルコニアで行こうみたいな流れがここ数年で出てきていますし、なんだかなあ・・という印象を持っています。
参考→ジルコニアのブリッジはどうなのでしょう?
(※2007年の時の回答です)
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