井野先生、櫻井先生に続いて2週間前より自費專門になった渡辺です。
当初のご質問に関しては他の先生方のコメントの通りです。
商売としてはただただリスキーですし、儲けたかったら保険、自費半々ぐらいがおそらくベストだと思いますが、自費專門というのは自分の場合も「こだわり」の部分が大きいのだと思います。
あと「儲け主義?」の他によく受ける誤解についてですが、自費專門でやっているからといって保険制度を嫌っている訳でもありません。(他の自費専門医が皆さんそうかは分かりませんが・・)
井野先生や櫻井先生のコメントの中でも少し触れられていましたけど、自分としては役割分担のつもりですいますし、やはり社会保障制度として保険医療というのは今後も守られていくべきだと思っています。
保険治療を望む方には十分な数の医療機関があると思いますし、逆に保険医療が崩壊したら本当に困る国民も沢山いると思います。(ウチも困ります・・)
子供の医療費や、訪問診療など、真に社会保障として行うべき歯科治療もたくさんありますしね。
・・であるからこそ、保険医が保険医療機関を行っていく場合はルールをお互いにキチンと守って、制度の維持を考えるべきだと思っています。
ですので、
>過去に通っていた歯科では毎回みっちり一時間掛けて診察・治療(歯周病治療・仮歯作成・噛み合わせ全体の確認も含む)を保険内でして下さる先生がおられました。
という様な、同業者から見ても赤字が予想される、個性的な先生というのは個人的には好きじゃないです。
辞めた立場で言うのも何ですけど、制度を維持していくためには保険医同士で足並みを揃えることも重要ですから、ルールや採算性については積極的に守るべきでしょうね。
ある保険医では1時間かけて治療して貰えたのに、隣の保険医に行くと15分で終わられた、では受診する側も不安ですよね?
毎回1時間かける先生の近所で、若手の先生が普通に開業すれば潰れてしまうかも知れません。
もちろん相手を見て、選んでこっそりやる分にはそれはそれでも良いと思いますけど、公的なお金を利用して集客ツールの様に使うとなればそれは悪質と言わざるを得ませんから、”赤ひげ先生”も見方一つだと思います。
保険で過剰に丁寧にやって、赤字は自費の治療を受けて下さる人に負担して頂く、と言う構造にも自分は疑問を感じます。
>もしや今現在保険で出来る治療範囲が縮小される様な事が将来的に起こる可能性もあると思われますか?
縮小されないとしたらその方が不思議なぐらいです。
国の借金については井野先生が書いて下さいましたが、納税額の少ない&医療費がもの凄くかかる高齢者が増えているこの日本で、今や税収と医療費が同じぐらいの金額です。(2011年で医療費38兆5850億、税収37兆3960億)
このアンバランスさには、国民全体で危機感を持った方がいいと思いますけどね。。
画像1
|