岐阜市の歯科医院/歯医者 ノアデンタルクリニック

ノアデンタルクリニック・ホワイトエッセンス

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超音波スケーラー(P-MAX)購入の要望書を提出していますが…
hime さん 性別非公開  年齢非公開
2007-07-04 18:02:00
はじめまして。
いつも歯チャンネルを興味深く拝見させて頂いております。

私は歯科医院衛生士をしております。

先日のスタッフミーティングの際に、超音波スケーラーを購入して欲しいと言う要望書と、治療内容の質問を書いた内容文を提出した後の事で相談があるのですが、提出した文も貼り付けていますので、長文で申し訳ございませんが、宜しくお願い致します。

超音波スケーラーについて(1度目は即却下されたので、再提出した時の分です。)


先日提出した要望の返答がありましたが、疑問に思う所がありましたので、再度提出させていただきます。

まず、P−MAXのチップがダイヤモンドチップだから根面を傷つけると言っておられましたが、ペリオモードで作業を行えば、歯面を傷つけることなく、SRPも行えるとパンフレットなどにも記載されていますし、それが可能だと思っております。

それと私が使用したいと思っているチップですが、カッティングエッジは付いていますが、ダイヤモンドチップではありません。

もう一つはBDRチップです。

(1度目却下された理由が、ダイヤモンドチップは根面を傷つける。ハンドのSRP、シャープニングの技術を磨けばいいと言う内容でした。)


根面のポケット内洗浄はシリンジで十分出来ると言っておられましたが、デブライドメントまでは出来ないと思います。

歯周治療を行う上でデブライドメントの重要性については〇〇先生が先日参加されましたセミナーの内容の中にも記載されていましたし、最近の歯周治療について出版されている文献を読んでいても重要視されている事が分かります。先生は今使用している超音波スケーラー(ソルフィー)で、それが十分に行えているとお考えなのでしょうか?

デブライドメントを行うには、ポケット内の機械的洗浄が必要不可欠です。

私は今使用している超音波でデブライドメントを行うにはチップの形態状ポケット低まで到達しにくい為、無理があると思っております。

確かにデブライドメントはハンドスーケラーで行うことも可能ですが、一回のリコールで全歯牙あるいは、数本の歯牙に対して行うにはかなりの時間を要します。


今使用している超音波(ソルフィー)で取りきれないところはハンドでSRPの技術を磨いて、取ってくれたらいいとの事でしたが、SRPやシャープニングの技術の向上はもちろん重要な事だと思いますが、ハンドだと一回で取れる本数も少なく、チェアータイムも長くなります。


プローブ同様の感覚が得られる超音波スケーラーが出現し、手用インスルメントと超音波の比較結果では、炎症は同程度に改善されましたが、チェアータイム根面のダメージでは、超音波スケーラーで行った方が、より少なかったとの報告もされています。

患者さんのストレス術者のストレスの事を考えると、出来る超音波と、手用をうまく使い分ければ良いのではないかと思います。

参考までに別紙に 〇〇 〇〇先生の超音波スケーラーを使用した
インスルメンテーションを用意しておりますので目を通して頂けたら幸いです。

この文献は1988年に歯科衛生士の別印ですので、少し前の物です。

今もこの考え方で実践されているのかは、明日のセミナーで確認したいと思っております。

丁度次の日が上記に記載した先生のセミナーだったので、その先生にも、どうしたら院長に理解してもらえるか?

と相談しましたが、すでに私が要望書に記載してる内容でした。

                  

質問の内容

フラップを開け、肉芽を除去後、対照歯にはルートプレーニングを行うとともにすべてのセメント質をバーで除去しました。実験歯はラバーカップ、ラバーチップで研磨後、歯石のみをキュレットで除去し、フラップを閉じました。

その結果歯肉の状態の改善、PD(プロービングデプス)の減少、およびAL(アタッチメントレベル)の獲得は、対照群と実験群に差が認められませんでした。つまり良好な臨床結果を得る為には、セメント質を研磨すれば十分であるという結果が得られ、歯周組織の治癒を妨害する病原物質はセメント質の表層に緩く付着していると考えられるようになりました。

と記述してある文献を読みました。

そこで質問なのですが、先生はフラップオペをするとき毎回根面をバーで削っておられますが、どのような目的で削っておられるのですか?

露出根面を滑沢にする為ですか?


歯周治療、管理について

歯周外科を行っても、すべての歯石を除去することは非常に困難であることがわかっています。このことは裏を返せば、多少歯石が残っていても、臨床的に受け入れられる歯周組織の治癒が達成できることも示している。

硬く滑沢な歯根表面を作る徹底的なルートプレーニング必要ではないという考え方が主流になっている。

歯肉縁下歯石を取ることが重要ではなく、歯肉縁下の環境のコントロールができれば、臨床的に良好な結果を得ることができる。

歯肉縁下の処置の目的は、プラーク細菌の量あるいは質を、生体反応(炎症)が起こらない範囲内にとどめること、すなわち生物学的に受け入れられる歯肉縁下環境を作り出すことである。



生物学的に受け入れられる.        

?アタッチメントロスを起こさない。  
?BOPがない
?新付着が起こる

生物学的に受け入れられる歯肉縁下環境の達成の為に考慮すべき項目

 歯肉縁上プラークコントロール
 歯肉縁下歯石
 歯根形態
 歯槽骨欠損の形態
 細菌の量および質
 患者のリスク(生活習慣、感受性、全身疾患)  

この考え方についてはどう思われますか?

私はこの考え方には賛成で、あとはDRとDHが上記に記載した通り患者さんの口腔内の環境やセルフケアの状態などを踏まえて生物学的に受け入れられる環境のゴールをどこに持っていくか、よく話し合ったうえで治療を進められたらと思っています。

口頭だとうまく説明出来ないと思い文章にさせていただきました。

また、いつでも良いので出来れば文章で先生の意見を聞かせて頂けたらと思っております。


と、今勤めている医院の院長に要望と質問をしました。

そうしたら、お給料明細書のコメント欄に、

君の要望にはうちの診療室では答えることが出来ない事が多いです。もしかしたらもっと良い条件で君に合った歯科医院が他にあるのではないでしょうか?と一言コメントあるのみでした。

私は答えることが難しいような内容ではないと思っているのですが、コメントの内容を見る限りでは 辞めてくれ!!!と受け取れる内容なので、どうする事も出来ません。

他のスタッフも要望は違いますが、同じ内容のコメントを書かれていた子もいて、みんなそれぞれ不満を抱えているので、冬のボーナス後に全員退社しようか?と言う話も出ています。

私の考え方に問題があるのでしょうか?

先生はどうしても分かって貰えそうにないので、この場合はやはり他の所に行くべきですよね??

私もあまり若くないので、再就職先は見つかるか?

見つかったとしても、年下の子に教えてもらう事になるのでは??と不安はありますが・・・
ノア デンタルクリニック・ホワイトエッセンス(岐阜市)の渡辺です。

はじめまして。
よく勉強されてますねー。その調子で頑張って下さいね。

さて、問題点は大きく分けて2点あるかと思います。

ひとつは【人間関係の改善について】
もうひとつは【医学的正当性について】ではないでしょうか。


【人間関係の改善について】

・・は、私などが容易にお答え出来ることではありませんが、タイヨウ先生がおっしゃる様に、一緒に勉強する時間を持つのは非常に効果的だと思います。

院外のセミナーもいいでしょうし、院内での勉強会も良いでしょうね。

ただ正論を言えば相手を説得できるというものでもありません。

約30万円(ぐらいでしたっけ?)も投資して、どれくらいで回収できるのかとか、色んな側面もあります。

まずはお互いに尊敬し合って信頼し合って許し合って・・という関係を築くことの方が重要なんでしょうね。きっと・・。難しい問題です。

もしも辞められるとしても、「冬のボーナス後に全員退社」することに、社会人として胸をはれるかどうか、ひとつ冷静になって考えてみて下さい。

・・って偉そうになっちゃいましたけど。



【医学的正当性について】

偶然か必然か、わかりませんが確かにデキル歯科医院にはP-MAXがよく置いてある様な気はします。

白水のセミナーにもしも院長先生も一緒に行かれれば、なんとなく欲しくはなるかも知れませんね。非常にいい作戦だと思います。

でも本当にソルフィーでは不十分でP-MAXでないといけないのでしょうか?
(こんなこと言い出すと揚げ足取りみたいになってしまいますけどね^^;)


>手用インスルメントと超音波の比較結果では、炎症は同程度に改善されましたが、チェアータイム根面のダメージでは、超音波スケーラーで行った方が、より少なかったとの報告もされています。

との事ですが、手用と超音波の比較をした研究と言えば、私が思いつくのは1984のBaderstenのものですが。。。

この研究の事だとしたら、これでは12mmまで(平均5.7mm)のポケットを有する”単根歯”だけを対象にしています。

2人のスペシャリストが、手用でも超音波でも1本の歯につき同じぐらいずつの時間をかけています。

(スペシャリストが二人、デブライドメンド実施が3回あるうち、1回目のデブライドメンドではスペシャリストAが手用では1本あたり平均5.7分(!)、超音波で4.9分 スペシャリストBは手用8.0分、超音波8.8分、2回目以降でも1本あたり1〜3分・・といった具合です)

ですからチェアータイムは変わりません。

因みに、研究開始3ヵ月後に初のデブライドメンド、以降6ヶ月目、9ヶ月目に繰り返し、以後3ヶ月ごとの来院を繰り返して24ヶ月間観察されているのですが、6ヵ月(※スケーリング後3ヵ月)後以降はアタッチメントレベルなどにほとんど変化がありません。

これは、メインテナンス時の歯肉縁下デブライドメント自体が特に必要ない(※プラークコントロールと歯面のポリッシングは行っています)、という風にも解釈できます。

つまり、

「上手な術者が十分な時間をかけて行えば、手用でも超音波でも炎症は十分に改善する」

「一度十分に改善した歯肉であれば、メインテナンス中に縁下のデブライドメンドは特に必要ない」

と解釈できます。

裏を返せば、「上手でない術者は、技術の差の出にくそうな超音波の方がいいかも知れない」→「上手になればいい」とも考えられますし、「ポケット内の機械的洗浄が必要不可欠」・・という訳でもなさそうですから、himeさんの勤務先の院長先生の言うことにも一理あるかな・・と。

こういう見方も出来ます。
違う論文の引用でしたらすみません。

あと歯肉縁下にある様な毒素についてはシリンジで洗い流せる・・という論文もありましたよ。

いつの誰だか忘れましたけど・・かなり古いやつだったと思います。



>フラップを開け、肉芽を除去後、対照歯にはルートプレーニングを行うとともにすべてのセメント質をバーで除去しました。実験歯はラバーカップ、ラバーチップで研磨後、歯石のみをキュレットで除去し、フラップを閉じました。
その結果歯肉の状態の改善、PD(プロービングデプス)の減少、およびAL(アタッチメントレベル)の獲得は、対照群と実験群に差が認められませんでした。つまり良好な臨床結果を得る為には、セメント質を研磨すれば十分であるという結果が得られ、歯周組織の治癒を妨害する病原物質はセメント質の表層に緩く付着していると考えられるようになりました。

・・についてですが、これは非常に面白いので詳しく説明しますね。

引用元の論文は、間違いなく1988年のNymanの論文 だと思います。

不思議なことに、院長先生の様に「スケーリングはバーを使ってでも徹底的に!」という人たちも、逆にhimeさんみたいに「スケーリングは軽くでいいよ」という人たちもこの同じ論文を見て正反対の解釈をしているんですよ・・。

まずタイトルからして、「スケーリングを力強く行う必要はあるか?」という内容ではなく、「歯周治療後の治癒における病的歯根セメント質の役割」という内容なんです。

はてさて何のことやら・・という感じでしょうけど、論文の内容を冷静に見て下さい。

内容については概ねhimeさんの記述どおりなのですが、もう少し詳しく書きます。

※どちらも「フラップをおこし」、肉芽は除去後

実験群:

・歯石のみを注意深くはじいてとる。
・赤染めして、ペーストをつけたラバーカップやチップで研磨する。(→※PMTCの状態)

⇒セメント質を取らないことが目的。


対照群:

ハンドスケーラーかダイヤモンドバーで、セメント質を入念に取り除く。

⇒セメント質を取りのぞくことが目的。


で結果は、himeさんの書いた通り、どちらも差がないんです。
ということは・・・

とここから先は、この実験結果を見た人がどう感じるか、の部分なんですね。

himeさんは、「それならセメント質を傷つけるほど力を入れる必要はない」、と感じるのかも知れませんが、私なんかは「わざわざフラップあけて赤染めなんてして確認していられる訳がない。セメント質のことは気にせず歯石を取り残さないことを最優先してバーでも何でも使って徹底的にやるべきだ」と解釈しています。

そもそもスケーリングの論文ではなくて、セメント質の観察をしているんですよね。。教科書で言う、「病的セメント質」というやつです。

実際にこの実験で、フラップあけた状態で赤染め、ポリッシングをさせられた衛生士さん(だったと思いますが)は、「二度とあんなめんどくさいことしたくない」とおっしゃってたそうですよ。そりゃそうですよね・・



ということで、himeさんも本当によく勉強されてるでしょうから、ご自身の実力に見合った勤務先を選ぶ、ということも重要ですし、一方物の見方も色々あるということで、院長先生ともっと治療について話し合える環境というのも大切でしょうね。

私の持論ですが、歯科医院において、歯科医師以上に優秀な歯科衛生士は育たない(働けない)と思います。

といって歯科医師が優秀なら歯科衛生士も優秀になれるかと言えばそうでもないと思います。

医学的に”考えが合わない”場合もあれば、”人間的に合わない”場合もどちらもあるでしょうね。

ですからお互いに理解し合う努力をしなくてはいけないのではないかなーと、ちょっと哲学的なことを思ったりなんかする訳です。。。

タイヨウ先生とチッコロさんにも、お会いしたことがあるのですが、本当に理解し合ってて、仲良さそうに見えましたもんねぇ・・(最初は奥様かと思いました)

himeさんもここに書かれたこと以外にも色々とお悩みでしょうけれど、よく考えて結果を出されて下さいね。
2007-07-05 00:47:00

この相談の詳細情報
このページは歯チャンネル提供のリンク機能を使用して、原文より一部抜粋したものです。
全ての質問文と回答を見る際は、原文をお読みください。
原文を見る 超音波スケーラー(P-MAX)購入の要望書を提出していますが…
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