岐阜市の歯科医院/歯医者 ノアデンタルクリニック

ノアデンタルクリニック・ホワイトエッセンス

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シーラント大激論
主婦A さん 性別非公開  36歳
2007-07-03 22:09:00
以前の質問=幼児(6歳)の歯科治療とシーラント

以前もシーラントについて質問させていただきました。
その後また疑問が生じたため、ご相談させてください。

以前質問した幼児のシーラントではなく、その子のきょうだいである小学校高学年の子どものシーラントについてです。

小学1年のときにシーラントをしてあったのですが、その後何年も経過して、数ヶ月前にふと口のなかをまじまじと見たら、シーラントが部分的に脱離しているようで、溝がオレンジ色っぽく見える気がしました。これはイカン!と慌てて歯医者へ。

そこで、ダイアグノデントを使用して歯科衛生士さんが診断を行い、「数値が25〜28ぐらいだから、もう一度シーラントすればいいです」ということで、衛生士さんが古いシーラントを取り除いて再度充填を行いました。

オレンジ色っぽく見えるシーラントもあるから、たぶんこの色はう蝕ではないと思う、というのが衛生士さんの診断でした。

私としてはこのとき、医師にきちんと診断をして欲しかったのですが、成人の患者にかかり切りで、質問すら出来ませんでした。

その医院は小児の患者は衛生士さんが診断も処置も行う(※切削は除く)ところだったのですが、行ってみるまでそれは分からなかったのです。

う蝕かどうか、疑わしいところに、再度上からシーラントをして封じてしまっていいのだろうか?という疑問を持っていたのですが、質問の機会を逸して、うやむやのままに終わりました。

そして最近。ふとまた口のなかをまじまじと覗きましたら、シーラントを再度充填していた歯の溝が茶色っぽいのです。

シーラント下でう蝕発生、それも大事に守ってきたはずの6番の歯が……とショックを受けています。

よく観察したところ、咬合面の溝だけでなく、平滑面までたーっぷりと歯冠を半分ぐらいまですっぽり覆うようにシーラント剤がかかっていたことに気が付きました。

さらに、平滑面にあるうっすらとした溝のところも、シーラントされていない歯茎に近い部分は茶色っぽくなっており、これまたショックを受けています。


そこで質問したいのは、


1.

う蝕かどうか怪しいかもしれない歯に対して、シーラントを行うかどうかについては何か判断基準はあるのでしょうか?

シールドレストレーションという、接着剤でう蝕を封じ込めるという考え方も、ネット検索や文献検索で調べていて見かけるので、多少のことでも再度シーラントをしてしまった衛生士さんの行動は根拠のあることなのだと理解しました。

しかし、これはどの程度のう蝕に対して適用されるものなのでしょう。

ダイアグノデントで数値がいくつだから良いとか、拠り所は存在するのでしょうか。


2.

平滑面までシーラントを行うというのは一般的なことなのでしょうか?

色々自分で調べてみて、咬合面の裂溝に行うということが何を見ても書いてあって、平滑面に……というのが見あたりません。


3.

医師の診断を受けて、このシーラント下の茶色いものが虫歯だと明確になった場合、どういう処置が行われるものでしょうか。

シーラントをすべて外すことになると、外した後のエナメル質は表面が傷んでしまっているのではないかと、とても心配です。

虫歯の部分は削って治療するとして、その他の部分(うちの子の場合は平滑面まで)はどうなるのでしょうか。


以上、長くなりましたがご回答をよろしくお願い致します。
ノア デンタルクリニック・ホワイトエッセンス(岐阜市)の渡辺です。

こんにちは。
今回もマニアックですね。

小児歯科なら、今回は森川先生が回答して下さるかと思い静観していました。

私はシーラントを実際にした記憶が・・・ほぼないですので。
(※小児を診る機会が極端に少ないので)


で、知識があまりないのですが、気になるのが2点。


1)シーラントの虫歯予防効果については確たるデータはないのでは?

・・と理解しています。

エビデンスには世界一うるさいスウェーデンイエテボリ大学の小児歯科の先生のお話を小牧先生経由で聞いた話では、萌出途上の永久歯で、かつメインテナンスに通える、というのが条件と考えている。とのことでした。(間違っていれば小牧先生、訂正をお願いします)

見た目的にいかにも虫歯予防になりそうですし、接着強度の強いもの弱いもの、フッ素徐放性材料なども色々選べますから、個人的にはもう少し適応を広げられそうな気もしなくはないのですが。

萌出途上、というのは、咬合面虫歯が発生するのはほとんどがその時期だから、という理由と思います。

逆に対合歯とかみ合う様になってからはほぼリスクがなくなるので、今回の場合、剥がれたら剥がれたままでも良かった様な気もしないでもないです。

メインテナンスについては、主婦Aさんも気にされてる通り、シーラント下で虫歯が進行してかえって惨事になる場合を懸念されてのことだと思います。

専門医による管理下、という条件で、シーラントに用いる材料などもよく選んで行われる分には森川先生のおっしゃる通りに少し適応範囲を広げて良さそうな気もしますが、原則的には「虫歯のない、萌出途上の永久歯、メインテナンスに通える」という点は外せなさそうなので、案外ハイレベルな判断を要する様に思っています。

主婦Aさんや森川先生、田尾先生を相手に確証のない話で申し訳ないのですが・・。


2)ダイアグノデントによる判断について

これも自分は使わないので25〜28というのがどの程度のものなのか、分からずお話するのですが。。。

これも主婦Aさんがひっかかっている点だと思うのですが、仮に専門知識を十分に学んでいない歯科衛生士が、マニュアル的に、「数値が25〜28ぐらいだから、もう一度シーラントすればいいです」と判断していたらどうか、ということについて考えてみたいと思います。

ひとつには上述した様に、年齢やリスクの問題があります。

イエテボリ大学の解釈では、むしろ「やりすぎない様にしましょう」と言っている様にも取れます。

ダイアグノデントの問題点として指摘されているのは、「虫歯を虫歯と発見する率は非常に高いが、虫歯でない歯を虫歯でないと発見する率は低い」という点があります。

虫歯を検査陽性とすれば「陽性的中率は高いが陰性的中率が低い」という表現になるのでしょうか・・

ですから、今回ダイアグノデントで、「虫歯じゃない」と判断されたこと自体はそこそこ信頼できるのかなとは思います。

ですが小学校高学年のお子さんで、しかも主婦Aさんのお子さんでケアは徹底されていて、萌出して5年ぐらいも経過している6歳臼歯にシーラントは・・必要があるのでしょうか。


因みに、元々発見されていたオレンジ色は、多分色素の沈着の可能性が高いのではないかな、と思います。

5年も経過する間に接着力が弱くなり、部分的に剥がれたところに色素がたまった可能性も考えられます。

でそこに再度シーラントをされるなら少なくともその色素は接着阻害因子になるでしょうから徹底的に研磨除去し、唾液などにも邪魔されない様にして接着する必要があるでしょうね。

健全な歯であるという前提で、きちんと接着操作をするのであれば、何歳であってもシーラントはやって悪いことはないとは思いますが、いい加減な判断、いい加減な操作はちょっとだけ心配になってしまいます。

シーラントは正式名を「フィッシャー(溝)シーラント」と言う様に平滑面を覆うことはありません。

平滑面に虫歯が出来ることはありません(※隣接面を除く)ので必要もありません。

今回確かに平滑面が覆われているとしたらこれは明らかな「やりすぎ」ですが、悪影響があるかと言えばそこまででもない気はします。

かみ合わせに悪影響がなければ自然に剥がれるのを待っていてもいいのかも知れませんね。


経験もないクセにつらつらと書いてしまいましたが、聞きかじりの知識の私の個人的な感想としてはこんな感じです。

重要度の低い参考程度に。

どちらにしても主婦Aさんのお子さんに限って、大事に至ることはないと思いますが、不安でしたら院長先生に一度相談されるべきでしょうね。
2007-07-04 08:28:00

この相談の詳細情報
このページは歯チャンネル提供のリンク機能を使用して、原文より一部抜粋したものです。
全ての質問文と回答を見る際は、原文をお読みください。
原文を見る シーラント大激論
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