インプラント本体(フィクスチャー)は通常歯肉の中、あるいは骨の中に埋め込むものですから、基本的にはメーカーや構造による差はないと考えて良いと思います。
どちらかと言えばアバットメント(差し歯の土台の部分)とのつなぎ目(マージン)の位置だったり、精度が重要でしょうね。
そういう意味では、アバットメントとのつなぎ目自体が存在しないワンピースタイプインプラント(AQBなどの一部ラインナップ)や、ワンピースの如くフィクスチャーとアバットメントのつなぎ目がガタつかないテーパー嵌合のプラットフォームスイッチングのタイプ(ANKYLOSやAstraなど)、あるいはつなぎ目を歯肉より上にわざと持ってくるシステム(ストローマンの一部ラインナップなど)が多少良いかも知れません。
あとこれはインプラント周囲歯肉の炎症を嫌ってのご質問だと思いますので、歯肉に接触する部分の炎症の起こりやすさ、という視点で素材を考えれば金合金(カスタムアバットメントと呼ばれる、いわゆるオーダーメイドのアバットメントを作る際に使用される場合がある素材)が一番悪くて、チタン合金(既製のアバットメントはほぼこれ。
カスタムも可。
ワンピースタイプもこれ)は良く、セラミック系(既製のアバットメントの一部やカスタム。)は更にわずかに良い、という感じの様です。
またインプラント周囲歯肉に直接接触する部分の研磨も基本的にはしてある方が良い訳ですが、ジルコニア等ではツルツルに鏡の様に研磨してあるよりは実は少し手前の、削り出したままの状態ぐらいの粗さがある方がインプラント周囲歯肉とのなじみがわずかに良いとか、そういう報告もある様です。
逆にインプラント周囲炎が起きてしまった場合のリカバリーについては、基本的にどのメーカー、タイプも難儀するのですが、骨の"つき"の良いザラザラのものやHA(ハイドロキシアパタイト)をコーティングしている様な現代的(?)なタイプよりも、古いツルツルのものや、ザラザラしてるけど比較的ツルツル(?)のもの(astraなど)の方が若干結果が良いとかの報告もあります。
高床式も完璧とは言えませんが、確かに一定の安心感はありますね。
基本的に上記の様な、メーカーや素材、仕上げを基準に患者さんが指定して選択することは難しいと思いますが、高床式とか高床式に少し近い感じでアバットメントとクラウンのつなぎ目を見えるところに持って来てもらう(縁上マージン)とか、それぐらいのオーダーなら現実味はある様な気もします。
それと裕次郎U さん、当サイトに沢山のご質問を投稿されている様ですが、寄せられた回答に対してよく分かったとか分からなかったとか・・一言頂戴出来ると幸いです。
お大事にどうぞ。
|