西山先生のご意見と同じで、例えむし歯一本の治療をするかしないかについても、他人が決める様なことではないと思っています。
むし歯や歯周病が命に関わる危険性もない訳ではないのですが確率的にはそれほど高くはないと思いますし、同じ様な危険性が「ない訳でもない」レベルのものは他にもいくらでもありますよね。
(喫煙とか車の運転とか・・)
生きるか死ぬかでさえも個人の価値観ですし。
山田さんが今後どうなりたいのかが一番のポイントだと思うのですが、文面から分かる範囲だけでお答えするとしたら時々襲ってくる痛みや将来歯がなくなることに抵抗感はあまりなさそうですし、歯科治療への期待感もなさそうで(この点については理解出来る部分もあります)、それなら確かに受診しなくてもいいのではないかと感じます。
おそらくあまりご存知なさそうな点としてお話出来ることと言えば、
「今さら〜」と言って歯医者に行くことを別に恥ずかしがる必要はないと思います。
案外そういう患者さんはいらっしゃって、来院された時の反応は診る先生の性格次第ではありますが、個人的には他の先生が触っていない状態の方が治療はしやすいので、むしろ有り難いです。
あと「歯磨き」には上手い下手がかなりあって、当院では歯ブラシをバットに例えてよくご説明をするのですが、「バットを持っている」「バットを振っている」だけだと全然ダメです。
普通歯磨きは(専門家から見て)上手には出来てませんので、上手な野球選手になるにはバット以外に何が必要か、と考えて頂くと分かりやすいと思います。
発音の問題については案外複雑で、もしも入れ歯になると結構高い確率で支障が出てくると思います。少なくとも専門家なら、入れ歯をしている方というのはその発音だけでも大体判別がつけられるぐらい、独特なものになりがちです。
(それを支障と感じるかどうかは人それぞれですが)
では入れ歯以外の方法で・・というのは、多分このままの状況であれば何も選択肢が残りません。
お母様の歯科にはよく通っていたのに歯が残らないというお話も耳が痛いところで言いたい事は沢山あるのですが、そういう歯科治療ばかりではなくて、治療をしない場合よりも治療をした方が確実に歯の寿命が延びる、ということも実際は可能で、・・と同時に簡単ではないと思っています。
確かに治療をしたがばかりにかえって寿命を縮めているのではないかと思えるケースは少なくありません。
歯科治療の目的を歯の延命や予防、さらには健康増進やQOLの向上にまで期待するとしたら過剰と言われている歯科医の数は今よりももっとずっと必要ですし、同時に質も上げて、社会への働きかけなども必要ですが、そういうことを少しも理解出来ない様な歯科医なら確かに不必要でしょうね。
そんなに割合としてはいないと思いますが・・
>歯科で治療を受けるとどんなメリットがあるのか
個人的には歯科医療を通じて笑顔が素敵になって、生活の質が向上するところまでを本気で目指してはいます。
ただそれは一方的にご提供出来る様なものでも当然ないと考えています。
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