加藤先生の様な説明をされることは少なくないと思われるのですが、「ふうふう」なんかで細菌感染が起こるとはとても思えません。
それと菌が少ない乳幼児と成人を同列に語るのは細菌学的見地からは無理があって、口腔内の細菌については原則的には「椅子取りゲーム」と説明することが出来ると思います。
つまり乳幼児期に一旦確立した細菌叢(※成人になると誰でも口腔内にはいわゆる「むし歯菌」や「歯周病菌」を含めて何百種類もの"常在菌"が必ずいるのですが、その菌同士のパワーバランスのこと)が容易に変わることは理屈の上では非常に考えにくいです。
仮にこれが意図して出来るとしたら成人の口腔からむし歯菌や歯周病菌を取り除いたり無力化するのも簡単に出来るという素敵な話なのですが、現状叶っていません。
ですので老川先生のケースは大変興味深いのですが、おそらく「稀なケース」か、もしかすると「偶然」かも知れません。
ただ一応細菌の移動の可能性はありますから(夫婦間で同じDNAの細菌が検出されたという報告はあります)
>パートナーが口の中を清潔に保つに越したことはない
には同意ですし、それは乳幼児を抱える親子関係にも言えると思います。
確率の問題なのですが、少なくとも軽いキスや回数の少ないディープキス程度ならおそらく全く問題ないと言ってもいいと思いますよ。
それと感染の可能性を強調するのなら逆のパターンで、良くない口腔の人に良いパートナーの良い細菌がうつる可能性だってありますしね。
あと重要なのが小林先生のご説明にある様に
>虫歯や歯周病は、それぞれの菌が在ったからといっただけでは発症しません。
>細菌や食事、そして、唾液や歯などの条件が揃った時、初めて発症するといわれています。
という事なので、端的に回答するなら細見先生のご回答が一番適切だと個人的には思います。
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