>現在、歯チャンネルにおいても、虫歯の原因は単純に「糖」である、とされています。
それは山田先生だけですので、歯チャンネルの見解ということではないです。
学問的にはむし歯の原因は「糖質」を含んで多数あると考えられ、その様に教育も臨床もされています。
>歯チャンネルでも、一定の結論を載せていただけると嬉しいです。
当サイトは専門職の人がただ大勢集まっているだけのサイトですから、学会や学術団体ではありません。
もしも学会であれば複数の考え方や意見がある様な事柄については会議を行い、学会としてのガイドラインを作成したり現時点での考え方を公的に発言したりはします。
歯チャンネルの場合はそれはしない代わりに、ありとあらゆる意見を持った先生が自由に発言出来る様になっています。
ですからサイトユーザーの方は目にした複数の意見の中から自分で判断出来ると言う自由があります。
歯科の話はまだまだ発展途上ですし、何でも白黒はっきり区別出来る訳ではありませんから、個人的には今のスタイルでいいと思っていますよ。
ただ、例にあげては申し訳ないですけど、例えば今回の様な山田先生の糖質に関する発言は周囲がいくら(部分的に)否定しても発言回数が多すぎて否定しきれず、目にする人にとってはあたかも歯チャンネルという団体の統一見解の様に誤解されてしまうというのは事実だと思います。
管理人の田尾先生からの情報によれば、この発言について他の先生はどう感じているのか、もう少し分かりやすくなるシステムを導入予定とのことですので、そちらの方を期待しておかれて下さい。
ですが先述した様に白黒はっきりした分野ではありません。
多数決で正解が分かる訳でもなく、今は少数意見でも10年後には圧倒的大多数に支持される様になったりは今後も起き得ます。
最終的には情報を手に入れた方の判断力だと思いますよ。
・・で、本題に戻りまして、
>「結局のところ糖分はどうすればいいの?」
について、学術的に言われている考え方ですが、むし歯予防だけに絞って話せば他で予防できているなら特段注意する必要はありません。
「予防行動」と呼ばれる行動(習慣)が色々あるのですが、歯磨きとかフッ素とか食事の回数、内容(糖質)など・・の中で、必要に応じて、言い換えれば「リスクに応じて」行動を変容していきます。
それとその方その方のライフスタイルも考慮します。
例えばお菓子を作る仕事の人に砂糖を口にするな、というのは問題ありますからね。
そういった、色々なアプローチ方法がある中での「糖質制限」という方法は比較的変容が難しいとされています。
だんだんややこしくなって来てるので伝わっているか不安ですけど、例えば同じぐらい効果的な予防行動がいくつかあったとしても実行に移しやすいものと移しにくいもの、生活習慣の中に定着させやすいものと定着させにくいものがあるので、個人のライフスタイルに合わせて取り入れやすいものから順番に、必要な数だけ提案していく・・という考え方が一般的だと思います。
ですから
>「結局のところ糖分はどうすればいいの?」
というご質問に対して、一言で返事をするなら、
「ハイリスクな人では制限してもらわないといけない場合がある」
という、すっきりしない返事になります。
もちろん、山田先生がいつもおっしゃる様に、極端に糖質の摂取量を減らすことが出来るのなら誰に対してもいいことが多いと思います。
ただ、お分かりになると思いますが、実践することが困難です。
それに好きなだけ食べても(健康は損なうかも知れませんが)むし歯が出来ない人たちも一定数は確実にいますので、むし歯予防の観点から一律に「1日○○グラム以下」という目安を歯科から提示される様なことは今後もないと思いますよ。
もう一つ注意点ですが、ここまで書いたのはあくまでも「むし歯予防」の話です。
健康維持のため、となると話が異なりますので区別して下さいね。
|