長い間苦労されて、やっと矯正も終わったのに・・という聞いてるだけで辛くなる様なお話ですね。
ですが骨の再生は無理です。
タイヨウ先生の回答にもありますように、歯の周りの骨というのは普通の骨とはちょっと違います。
顎の骨は普通の骨で、この骨に関してならもしかすると骨を再生(造骨)することが出来るかも知れません。(⇒インプラント手術のときに使われる方法です)
ところが「歯の周りの骨」、もっと詳しく言うと「歯の周りの歯根膜にくっついてる骨」は、「歯根膜以外には作ることの出来ない骨」ということになります。
mimiさんは病院でよく説明を受けられてると思いますが、歯周病によってすでに歯根膜が破壊されてしまっている状態です。歯根膜は治癒能力がありませんので、これを薬などで再生することがもし出来れば歯の周りの骨も再生できる。というのが理屈になります。
唯一、「歯周組織再生療法」と呼ばれる超かっこいい名前の治療法(歯根膜を再生する?お薬”エムドゲイン”というものを使います)があるのですが、使える歯が限られています。
- 歯周ポケットが6mm以上
- 歯ぐきをめくった時に、歯に近接する骨の形が、横幅2mm以上、深さ4mm以上のコップの様なくぼみを有していること。
この2点を満たしていないと使えません。
そして使えたとしても、骨の再生量はおそらく1mm前後というのが平均ですから、歯の揺れが止まるかどうかもわかりません。
mimiさんの上あご2番に、その様な骨のくぼみはないと思われますので、結論としてはやっぱり無理なのです。
ただ1部、アメリカ系の専門医だと思うのですが、歯の周りにいきなり骨を作ろうとして骨補填材(骨に置換する粉薬)を入れるグループもあります。(驚くことに保険でも適用されています。が、指定の補填材が良くない材料なのでしない方がいいです)
この方法だと、歯根膜は当然できませんから、理屈としては納得いかないのですが、現にやられるグループがあるので、私にはなんとも分かりません・・。
少なくともmimiさんが今後注意していかなくてはならないのは、ポケットを深くしないこと、歯周ポケット検査の時の出血を最小限に抑えること(=プラークコントロール)です。
それさえ実現されていれば、歯は揺れていようが歯周病が進む心配はありません。
揺れに関しては、
・(揺れ具合が)増加傾向にあるか
・一定で落ち着いているか
これだけmimiさんご自身でよく見ていて下さい。
増加傾向にあるのなら、もしかすると2番を両隣の歯と繋げたり、下の前歯のかみ合わせを削って調整する必要があるかも知れません。もし一定で落ち着いている揺れで、不快でなければそのままで構いません。
ただこの二つの見極めは、たまにしか会わない歯科医師にとってはなかなか難しいところですので、出来ればご自身で観察して、時々先生に報告してもらえると、参考になるかと思いますよ。
頑張ってくださいね。
参考⇒侵襲性歯周炎(現在の”若年性歯周病”の呼び名)かも?
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