こんばんは。
>・左下6をレントゲンで診ると根管充填剤が末端まできちんと充填されていない根管がある。
>・そこに今後炎症のおきる可能性が高い。
>・問題が起こる前に根管治療を行う必要がある。
そう言う先生もみえますけど、自分なら治療しないケースですね。
海外の専門医なんかだったら普通しないと思うのですが・・
>病変が出来る前、出来た後、どちらの治療の方がリスクが高いのでしょうか。
リスクにも色々な種類が考えられるので、例えば歯質がもう薄くなっていて治療することでひびが入ったり、根管が湾曲していて使用する器具が途中で折れたり、穴を空けてしまったり、タイヨウ先生が指摘された様に細菌を押し込んでしまってかえって悪化させたり・・ ラバーダムしなかったらその辺りも「無防備」ですよね。
よほど自信がおありで、成功するイメージしかないのでしょうが、自分は失敗することを常にイメージします。
先ほど書いた、歯根破折やファイル破折、パーフォレーション、急性化(フレアーアップ)などの偶発症は別として、根尖病変と自覚症状だけでの成功率を考えるとしたら・・まず15年間根尖病変のない歯根に今さら根尖病変が出来てくる可能性が、私の知る限りではほとんど考えられないです。
それこそ担当医の先生に確認された方が良いかと思いますが、根尖病変は通常根管治療失敗後早期に確認できることが知られていると思います。
何年も時間が経ってから根尖病変が出て来ることがあったら、それは根管内の細菌だけではなく、コアやクラウン等の修復物の不適合、あるいは大きな2次カリエス、もしくは歯根破折や患者のかなり極端な免疫力の低下など加わらないと、理論的には説明がつきませんね。
そこまで予測されているのかも知れませんが。
で、仮に未来になぜか病変が出来るとして、病変が出来る前、出来た後の根管治療のリスクを考えるとしたら・・
出来た後の治療については報告も多いですから、成功率は60-80%程度でしょうね。
ただし専門医がラバーダム等使用しての話ですが。
それに対して病変がないのに治療した場合の成功率・・って、そういう文献は見たことがないです。
治療対象にならないですからね。
おそらく初回の神経を抜く治療、抜髄の約90%(※これも専門医がラバーダム等使用しての話 いい加減に治療すれば約半分です)と、先ほどの感染根管治療の60-80%(※これもいい加減に行えば約半分)の中間ぐらいでしょうね。
簡単に言えば、普通の(病変が出来た後の)感染根管治療よりは少し条件がいいので、成功率が数10%程度上がるかも、と考えられます。
逆に言うと、失敗率は数10%程度下がるけど、それでも数10%程度は確実に失敗する計算です。
だから自分ならしません。
因みに、初回治療、つまりその歯にとって生まれて初めての根管治療(この場合抜髄と言ったり感染根管治療と言ったりしますが、海外ではこういう言葉がありません)の時に、根尖病変が出来る前と後での成功率の違いは5〜10%程度の違いと思われます。
この数値については状況次第で、重要視される場合がありますね。
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