こんにちは。
とても良い疑問だと思いますよ。
一見常識の様なご質問ですが、正確に答えられる専門家も少ないと思います。
「隣接面の虫歯予防にフロスは有効か?」と言うことを、過去に公表されている研究論文からまとめた論文があります。
コチラ⇒
Dental flossing and interproximal caries: a systematic review.
Hujoel PP, Cunha-Cruz J, Banting DW, Loesche WJ.
J Dent Res. 2006 Apr;85(4):298-305.
http://jdr.sagepub.com/cgi/content/full/85/4/298
これを読むと、結論としてはある程度有効な様です。
ですがよくよく読みますと、結果を
a)プロによる学校でのフロッシング(毎日)
b)プロによる3ヶ月ごとのフロッシング
c)自分で家で行うフロッシング(毎日)
に分けてあり、b)とc)については有効とは言い切れない(結果が誤差の可能性がある)様です。
a)については通学した日は毎日、1.7年間実行することで、40%(24-52%)もの隣接面の虫歯を予防した、との勇気付けられる結果でした。
・・が、これはあまり現実的ではありませんよね。
そもそも、ここからがこの話題のオチになるのですが、この研究の対象は4〜13歳の子供です。
疫学的に言って、これぐらいの年齢(〜もう少し上、20歳台ぐらいまで)でしか隣接面の虫歯が発生することはほとんどありません。
確率だけで言うなら、現在33歳のドラ焼きさんが、もしも今後一生フロスを使わなかったとしても、たぶん隣接面の虫歯は出来ませんよね^^;
正確に言うと、フロスの虫歯予防効果についてはまだあまり十分な、信頼に足る研究結果が出ていないというのが実情の様です。
(因みに歯ブラシでさえも、です)
ですが食べかすがたくさん出てくるのも事実ですし、現在あるデータからも、行って悪いことではないでしょう。
隣接面の虫歯が発見しづらく、見落とされがちなのもまた事実ですので、不安でしたらフッ素の応用の方が比較的手軽で、良さそうなデータが出ていますよ。
(もちろんこれも子供が対象の研究データです)
参考⇒虫歯予防に対するフッ素の効果的な使用法とは?
文献はコチラ⇒
Toothpaste technique. Studies on fluoride delivery and caries prevention.
Sjögren K.
Swed Dent J Suppl. 1995;110:1-44.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7660318?itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_RVDocSum&ordinalpos=3
フロスやフッ素のデータから言えるのは、フッ素入りの歯磨き剤を使用した歯磨き後に、せっかく隣接面に停滞しているフッ素を、フロスでわざわざは取り除かない方が良さそうですね。
これからも予防頑張って下さい。
因みに私(34歳)も、大体毎日フロッシングはしていますよ。
ある意味プロによる毎日のフロッシングなので、効果はあるかも??
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