おっと・・こんにちは。
1液性、2液性と、1ステップ、2ステップはまた別の話ですね^^;
何液使うかと、歯面に塗布する回数は別ですからね。
つまり1ステップ(セルフエッチングプライマー&ボンディング)については1液、2液(混合して使う)タイプのどちらもあって、2ステップで1液はないですけど2液、3液ならある、と。
>初めてかかった歯科医院で前歯のレジン充填をしてもらいました。
>その際、エッチング処理がなくいきなりボンディングらしき液を塗って光照射。
・・とのことから、1液か2液かは分かりませんが、1ステップではあった。ということですね。
多くの先生方は1ステップに好意的で実際かなりよく売れてるらしいですね。
売れてるぐらいですから臨床的には十分とは言えるのかも知れませんが、自分の様な凝り性にとっては正直良いものではありませんね。
以下の回答も参照して頂けると(意見は分かれてますが)理解が深まるかと思いますよ。
参考⇒時間がなくて忙しいから、ワンステップのボンディング剤に変更になった!?
とりあえず今回ミカン山さんがされた処置については、
「普通」
「一般的」
ではあると思いますよ。
将来問題が出るかどうかについては術者の技量にもかなり左右されるので分かりませんが、この文面だけでどうのこうのとコメントするほどのことではないと思います。
それに前歯部ならそんなに接着力にシビアになる必要もありませんからね^^;
ご安心を・・??
少なくともこれだけの情報で、転院した方がいいとまでは思わないですよ。
とはいえ少し専門的に解説を加えますと、1ステップは、世間のイメージとは違って実はかえって難しいんです。
めいっぱい丁寧に操作(・・となるとラバーダムやらエナメルエッチングが必要になってかえって煩雑ですが)しても2ステップほどの接着力は出ないですし、条件や操作によってもかなり変動します。
安定感なら確実に2ステップなのですが、どこまでの接着力が必要なのかも微妙な話ですから、1ステップでも必要十分なのかも知れません。
2ステップも、多くの製品は【セルフエッチングプライマー+ボンディング】の2工程なのですが、その前にエナメルエッチング(リン酸エッチング)のひと手間を入れた方が確実に良く接着します。(必要かどうかは別として)(画像1)
セルフエッチングプライマーは酸が弱いので、軟らかい象牙質のエッチングには十分なのですが、硬いエナメル質に対しては不十分ですからね。
実際にはエナメル質と象牙質を完全に区別しての操作は困難なので象牙質にはオーバーエッチングになってしまいがちなのですが(画像2)、プライマーの浸透距離だけの問題ですので、2ステップの場合ならプライマー処理操作を長めに行うことで十分対処できます。
それと意外に盲点なのが、光照射ですね。
メーカーの出してるスペックは乾燥状態なのはもちろんのこと、照射面に対して90°、1mmの距離での照射条件です。
実際の臨床では唾液や呼気の湿気と闘いながら、照射角は斜め(=光エネルギーの損失が起きる)、1mmどころか下手すると10mm、20mmと言う距離を取っていることすらあると思います。
(※5mmにつき、100mW/c?の低下)
また光照射機のメインテナンスもまずほとんどの医院してないのが現状かと思います。
実はチップの汚れや管球の劣化などが多くて、光量がメーカー公表値の半分ぐらいまで低下している様なことさえあるそうです。
光量は400mW/c?以上あればレジンは硬化しますし、安い普及型のLED照射機ならカタログスペックで1000mW/c?前後のことが多いですから一見十分なのですが、よく考えると・・・。
それとボンディングの話とは少し離れるのですが、レジンの硬化も一度に大量にやろうとすると不十分な硬化しか出来ません。
光がレジンを通過していく場合、1mmで光強度は約半分、2mmではたったの10〜20%にまで減少してしまいます。
これも実際には、3mmや5mm程度を一度に盛り付けてしまわれる先生も多いですので、光量のことにはかなり気を使った方が良さそうな気もします。
そんな訳でボンディングシステムについても、実際には様々な理由でカタログスペックよりも低下しているという前提に立って、余裕のある物を選ばれた方が良いのかな、とは思いますよ。
(患者さんが指定出来る様なことではありませんけどね^^;)
こだわりだすと他にも色々色々と注意点があるのですが、どこまでが本当に必要なのかは別問題ですし、保険治療においては多少目をつむらないといけない部分もあるかと思います。
通院の継続については性格的に合うかとか、人柄や利便性のことなど総合的に考えて判断されるのが良いかと思いますよ^^
お大事にどうぞ。
画像1 画像2
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