こんにちは。
前回のご相談を読み直してから回答しようかと思ったのですが・・省略しました^^;
まず、CTの画像ですが、これはレントゲン(と言う呼び名は通称で、正確にはX線)写真をたくさん撮ったものを、コンピューターの中で複雑に処理して組み立てただけのものです。
ですから、基本的にはレントゲン写真と同じ写り方をしますね。
それで金属やカルシウムなどの無機質が多いものが白く、少ないものが黒く写る、いわば影絵ですから、レントゲン写真だけで写ったものが何なのかを断定することは本当の意味では出来ません。
>レントゲンでは紐のついた風船のような白い影が写っていました。
白い物は、おそらく根管貼薬で使用したお薬で、「ビタペックス」(水酸化カルシウム製剤)あたりでしょうか。
もしくは根管充填が終わっているのなら、「シーラー」と呼ばれる、ガッタパーチャの補助に使う薬かも知れません。
あと垂直加圧と言う方法の根管充填の場合でも、同じ様な像が出来ることがあります。
どれもわざわざ根管の外にまで飛び出させる必要はないのですが、出したがる考え方のグループもありますし、出すつもりではなくても出てしまうこともあります。
リーマーが50番(=0.5mm)がどこを指しているか分かりませんが、恐らく根管の先端が大きく開いてしまっていて、「筒抜け」状態と言う意味だと思います(※正常な根管は0.1mm程度)
であればその気がなくても飛び出てしまうのは仕方がありません。
これらの薬は、使用後にレントゲンで確認しやすい様に、わざわざ造影性(バリウムみたいなもの)を付与してあります。
ですがしばらくすると、身体に吸収されるのか造影性だけが消失するのか、レントゲンには白く写らなくなってくることが多いですね。
そのものは身体に悪いものではないです。
>CTを本日見ると、上顎洞炎ではないものの、右上7番にもわーと煙のような影が映っていました。
CTの画像は、コンピューター上で色々手を加えますから、レントゲンと同じものでも白くも黒くも青くも黄色くもなります。
ただ、モノは同じですね。
>耳鼻咽喉科の先生はこういうのは見たことがなく、根管治療の薬が上顎洞に出た?とおっしゃっていたのですが、これは根尖病巣ではないのでしょうか?
んー、通常は上顎洞の内面にある粘膜を持ち上げるはずなので、上顎洞に直接飛び出ることは少ないと思いますよ。
飛び散っている感じなら飛び出ているかも知れませんが、風船みたいになっているなら多分粘膜の内側でしょう。
せっかくのCTでの診査ですから、この辺りもきちんと鑑別して頂ければ安心なのですが、医科用のCTの画質では難しいかも知れませんね。
根尖病巣との鑑別は、現在の情報からでは出来ません。
(例;治りつつある根尖病変の可能性など)
>7番の膿が8番当たりに場所をずらしてにきびのような膿の袋が出ることもあるんでしょうか?
これはあります。
ですけど上顎洞の「何か」とは別物ですよ。
フィステルかも知れませんが、見てないので分かりませんね。
>根尖病巣はもわーとした煙のような白い影でCTに写るのでしょうか?
普通は、膿や肉なので、無機質でもなく、粘膜と同じ様に黒くうつります。
わーっと写ったものはおそらく何らかのお薬かとは思いますが、それが清潔であって根管の中も清潔であるなら、吸収されるか薄いお肉で包まれて隔離されるなどして、根尖病変とはなりません。
逆にお薬が、多量のばい菌を引き連れて根管の外に飛び出ていると根尖病変(※根管外感染と言いますが稀です)の原因にはなるかも知れません。
ただどちらにしても現在は治療中か終わってすぐの様ですから、レントゲンを見てもCTを見ても、それが病変かどうかの判断は出来ませんね。
歯科の先生がCTの画像を見慣れていらっしゃるなら、耳鼻科でお借りして歯科の先生にもお見せすると何かの参考にはなるかも知れませんよ。
私だったら是非見せて貰いたいですねー。
ですが歯科医でCTの画像を見慣れている先生というのも、まだ非常に珍しいです。
「耳鼻科でこんなことがあったんですけど?」
と、それとなくお尋ねしてみて下さい。
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