先生方、こんにちは。いつも勉強になるお話をたくさんありがとうございます。
今日お尋ねしたいのは、以前から気になっていた顕微鏡による歯周病菌の検査についてです。
歯とは関係のない一般の掲示板を読んでいると、時々以下のような書き込みに出くわすことがあります。
「歯医者さんで歯周病の検査を勧められた。顕微鏡で菌がウヨウヨしているところを見せられてとても驚いて、治療しなければという気持ちになった」
といったようなものです。
画像として菌を見せられて視覚に訴えられると相当インパクトがあるようで、皆さん「治療しなくては」という強いモチベーションにつながっているようです。
ここまでは「へ〜〜そうなんだ」と思って読んでいるのですが、その人のポケット長が2〜3mmとのことなのに、ウヨウヨした菌を殺すためと言われて飲み薬を出された、保険外の高価な歯磨き粉を購入した……などという話が後に続くと、「え?」と思ってしまいました。
(飲み薬による歯周病治療については、相談室でも既出なので読ませていただいていますが)
私はこの春まで日本歯周病学会の指導医の先生にかかっていたのですが、前述のような検査はされたことはなく、歯磨き粉について指導されたこともありませんでした。
指導医であるだけに、私の先生の診断と治療は、エビデンスに基づいた王道であると信じているのですが。
口腔内には500種類とも言われる菌が存在しているとのことですが、歯科医院で顕微鏡を使って画像として見ただけで、そのウヨウヨした菌のなかのどれが歯周病菌であるか即座に同定が可能なのか、また菌の数が多いかどうか明らかにできるのだろうか?というのが私の疑問です。この検査方法の信頼性はどうなのでしょうか。
今年10月に発表されている日本歯科医学会の
「歯周病の診断と治療のガイドライン」http://www.jads.jp/news/new/pdf/shisyubyo.pdfも読んでみました。
そこから抜粋しますと、いわゆる歯周基本検査や歯周精密検査のほかに行う追加検査として、
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プラークの細菌検査(歯肉縁下プラーク):
DNAプローブ法,酵素判定法など。
歯周ポケット滲出液の検査:
滲出液の液量,液中の酵素やサイトカインの測定。
唾液の検査:
歯周病原細菌,潜血,遊離ヘモグロビン,乳酸脱水素酵素などの測定。
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……などがありますが、顕微鏡による歯周病菌の検査というのは、上記のどれかにあたるのでしょうか。
"DNAプローブ法"というのは歯チャンネルでも既出のPCR法のことですよね。
以上、お忙しいなか恐れ入りますが、ご回答いただけますと幸いに存じます。よろしくお願いいたします。 |