こんにちは。
>「歯を1ミリ以下で削りブラッシングなどがし易い様にする。」
だけですよね?
それほど構えなくても、大した問題にはなりにくいかと思いますよ?
ちょっと知覚過敏が出やすいのと、虫歯を作りやすいタイプの方だとやや注意が必要かも知れません。
どこをどの様に・・ですが、根分岐部病変の図の、赤い部分(最もくぼんでいる部分)の両サイドを削って出来るだけ平らにするのだと思います。
それか、
>歯周病って なりやすい体質とかあるのでしょうかネェ
にも関連するのですが、エナメル質が元々分岐部に向かってとがっている方も結構多いです。
図で言うと、根を足と例えると超ハイレグみたいな・・
この場合は、そのハイレグの真ん中の部分を敢えて削ったりします。
(なんか照れますね、この例え^^;)
と言うのも、エナメル質には周りの歯ぐきがくっついてくれませんので、敢えて削っておいた方が回りの歯ぐきと馴染んでくれる可能性があるからです。
分岐部病変は基本的に予後が悪いですから、予防的な意味合いもあります。
ただ予後にはっきりとした差が出るかと言うと、私の知る限りではデータがないですね。
あるのかも知れませんが・・歯周病認定医らしい治療法ではあるかと思います。
>進行具合に応じての治療方法も 名称は教えてくれませんでしたが向こう側まで貫通すると 治療も面倒になると説明されました。
これはトンネリングと言います。
ピーナツさんも、今後この歯の病変が進行してしまうとまた選択を迫られてしまうかも知れません。
これはタカタ先生やタイヨウ先生がご指摘されている様な、半ば諦めモードと考えられている治療(延命)法です。
日本でも主流の、アメリカ的(?)な考え方としてはお二人のおっしゃっている通りの説明で良いかと思います。
他にも面白い考察がありまして、歯周病学の総本山とも言えるスウェーデンのイエテボリ大学でも、一時期トンネリングは禁忌とされていました。
これは1975年のHampという先生の研究報告
(Periodontal treatment of multirooted teeth. Results after 5 years.
J Clin Periodontol. 1975 Aug Hamp 論文はこちら)
で、トンネリングは5年で約60%の歯で虫歯が発生すると言うことが知られたからだそうです。
ところが、1989年のHelldenらの研究
(The prognosis of tunnel preparations in treatment of class III furcations. A follow-up study.
J Periodontol. 1989 Apr Hellden 論文はこちら)
によって「厳密なメインテナンス下であれば」虫歯の発生はは25%程度に抑えられたと言うことが分かり、それ以来は「選択肢のひとつ」として考えられる様になったそうです。
そもそもHampらのデータでも、きちんとしたメインテナンスは行われていたのですが、観察していた歯の本数がたったの7本と少なく(7本中4本が虫歯に)Helldenらは149本を見ていますから、後者の方が信頼出来そうな感じがしますね。
ただ、実際の臨床の感覚からすると、日本人の場合は根っこと根っこの間隔が狭いことが多く歯間ブラシが通しにくかったり、それと定期検診にあまり通ってくれない国民性(?)からも、トンネリングはちょっと厳しい面があります。
仮に不幸にもトンネリングした部位から虫歯を作られてしまうと、抜歯せざるを得なくなるケースも多くなるので、10年後の生存率が95%以上と言われるインプラントと比べると・・一長一短かも知れません。
ですからトンネリングを行う場合には、
・メインテナンスに必ず来てくれること
・元々虫歯になりにくい方であること
(普通の虫歯の出来やすさと、根面に出来る虫歯の数には相関があるので)
が条件になりますね。
どちらにしても、ピーナツさんはせっかく良さそうな先生にかかられているのですから、メインテナンス受診を欠かさず、歯周病の進行を防いで下さい。
歯周病に完治はありませんが、(根分岐部病変以外の)進行を止めることは認定医の先生や衛生士さんの協力があればそれほど難しいことではありませんので、是非頑張って下さいね。
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