あれ?koripoさん、ハイブリッドのインレーになったんですか??
前回の回答ではレジンを薦めてしまいましたから、何かご迷惑をおかけしてないと良いのですが・・・
接着のときのラバーダムについてですが、タイヨウ先生の期待を裏切って(?)、基本的には不要だと僕は思っています。
タカタ先生の様に必要だと言われる先生も多いでしょうし、リスク回避という意味で大変立派なことだと思いますけど、個人的にはあんまり・・”毎回必要”とまでは思っていません。
熱心で知識のある先生でも、接着操作にはラバーダムを使われない方って案外いらっしゃると思いますよ。
根っこの治療の時にははっきりと成功率に影響するので”必要”と言って良いと思うのですが、接着力についてや、特に神経を守ることについては、たぶん影響ないと思います。
人づてで接着についての研究論文の結果は聞いたことがありますが、影響なし、との話(比較すること自体が困難ですから、信憑性も怪しいんですけど)。理屈で考えても、差が出ると考える方がちょっと無理があるかな・・と今のところは考えています。
(ちょうど関連する文献を知人にお願いしていたところなので、近々考えが変わるかも知れませんけど。)
例えば象牙細管を削って露出させて、そこにプラークを塊でべっとりつけて10時間とか放置をすれば、確かに神経が炎症を起こすという事は動物実験で確認されているのですが、炎症自体は例えば熱や風などでも起きますので、プラークとの直接的な因果関係は怪しいです。
またプラーク中の細菌が象牙細管の中を移動するというのは極めて考えにくく(これも参考文献が色々あるのですが・・)まして唾液中の細菌などが神経に炎症を引き起こすことは考えられません。
接着の時にラバーをしないことで、不可逆的な神経症状につながるとすれば、重度の歯周治療の正当性にも無理が出てくると思います。
(ふつう歯周治療では象牙質が露出し、神経に近いところまで削ることもあるのですが、封鎖はしません 一時的に神経症状が出ることはあっても、重篤になるのはかなり稀です)
また、その後に接着して完全に封鎖するのですから、一時的には感染が起きても、その後も細菌が生息し続けるとは思えません。
(根っこの治療の時には栄養源が残る可能性がありますが、それとは環境が異なります。そもそも虫歯を削った時点で何百という単位の細菌が象牙細管には迷入してしまうと言われており、それを除去することは不可能と思われます)
処置後、神経にまで感染が起きたとすれば、接着の不良か、ラバーをしていなくても同じことは起きたと考えるのが素直だと思います。
また接着力に関しても、ラバーを使えば安心確実なのは間違いないですから、使うのは大変いいことではあります。
何よりも同業者が見たときには大変かっこいいですし、患者さんの満足度も高まりそうなので、魅力は感じますけど。
ただタイヨウ先生の言われる通り、接着システムを理解した上で、”きちんと”見ながらやって、途中トラブル(唾液に濡れるなど)があれば正しく対処する、ということで、接着力には問題はなさそうです。これは研究開発者の方に直接確認してるので、間違いないと思いますよ。
もちろん、ラバーをした方がやりやすい(=防湿が困難)という時はあるのでその時には非常に向いています。
が、そんな時に限って大体ラバーはしにくいし。。
そして何故か防湿が簡単な場合のレジン充填の時だけラバーの保険点数もあったりするのですが。。
やって悪いことでは全然ないですから、している先生を批判するつもりは全然ないですし、そのうち自分もやるようになるかも知れませんけど、koripoさんの今されている処置(アマルガムをインレーに変えるような、防湿の簡単そうなケース)に関して、ラバーをしないことに問題があるかと言われれば、問題はないんじゃないかなー、と思います。
安心してもらっていいかと、個人的には感じますよ。
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