こんにちは。
なんだか困った方向に来てしまいましたね。
まず歯を削った後の知覚過敏についてですが、色々と説もあったり複雑なので端折って説明してみます。
エナメル質には知覚はありません。
その下の象牙質が露出すると、知覚(痛覚のみ)が発生する可能性があります。
参考⇒歯の構造
有力な説では、象牙質を構成している象牙細管(歯髄から歯の表層に向かって、筒状のものが放射状・蜂の巣状に繋がっていいるもの)の中を、髄液が膨張したり収縮したり、行ったり来たりすることで歯髄にある神経終末が痛みを感じる・・ということです。
ですから、緊密なガラス様組織のエナメル質が表層にある際には痛みは感じず、蜂の巣状の象牙細管が露出すると痛みを感じること「も」ある様です。(→知覚過敏の症状)
「も」というのが曲者でして、感じない人もいれば感じやすい人、食事もままならないほど強く感じる人、時期によって変化する人、食事の内容によって変化する人などもいます。
主な治癒の形態としては、表層の象牙細管が狭くなること、あるいは封鎖されること、が考えられます。
(他にも歯髄側の適応性変化などもあります)
それで、やっと話が戻りますが、今回の噛み合せの調整によって象牙細管が一部露出したと仮定して、現在知覚過敏様の症状が出ていますから、象牙細管を封鎖する様なお薬の塗布は確かに考えられます。
ところが、画期的に確実に効く薬はなく、ある程度の期待が出来るというレベルです。
ある臨床研究において、知覚過敏用の薬を使用したところ、薬の効果は有意に認められましたが、効かなかった患者さんも多く、また、プラセボ薬で症状が改善した患者さんも多くいました。
つまり「よく効くお薬があります」(by井野先生)とも言えますが、「そういう問題ではない」(byY先生)とも言えるのかなぁと思います。
いずれにしましても、象牙細管は唾液中のカルシウム等の無機質によって、徐々に狭くなっていったり、ブラッシングなどの機械的な刺激によってもなぜか歯髄が適応反応を見せたりしていきます。
ですから、放っておいて治る可能性も多いにありますので、以下の点を注意して経過を観察されて下さい。
・無機質による石灰化を促すために、プラークをためない、フッ素を積極的に利用する、酸の強い飲料・食事はちょっと控えめにする。
・効くかも知れないので、視覚過敏用のねり歯磨きも使用する。
(1本使っても効果がなかったら「合わない」と思って止めてもいいです。)
・疼痛閾値の下がっている歯髄の安静のため、出来るだけ反対側で食事をとる。
・・とこんな感じで、一部いい加減な解説もあったかとは思いますが、要は「つばつけといて治る」ことも多い病気ですから、諦めずに頑張ってみて下さい。
症状の悪化、あるいは数ヶ月たっても食事に差し障る様でしたら、豊橋で原因を精査した上、最悪の場合神経を抜かれた方が良いかも知れません。
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