確かに、皮膚科の受診がファーストチョイスですね。(されていると思いますが)
歯科領域から出来るアドバイスとしては、三木先生、船橋先生のコメントが特にとても詳しくて、的確だと思います。
どう行った分野でも同じだと思いますが、担当者ごとで細かく得意分野苦手分野はありますから、特に詳しくて、得意な先生に診てもらえるのが良いでしょうね。
一般的に考えて、歯科医で金属アレルギー治療の話に詳しく、経験数の多い先生というのはかなり少ないと思いますし、HPなどで得意そうに謳っていたとしても自費治療を増やしたい宣伝広告の場合も多いように思います。
コメントはだいぶ出尽くしているようにも思いますが、問題点を整理しつつ少し補足もしたいと思いますが、
@先ずは診断の確定が(ある程度)重要です。
パッチテスト自体が残念ながら信頼度がそこまで高くないのと、医科の先生にしか行えない検査でありながら三木先生があげた様な、相当歯科用金属の事情に精通していないと気づけない様なコツみたいなものがあります。
今回昔の検査結果をもとに話が進んでいましたが、いくつかの金属にアレルギーが出た人はその後他の金属にもアレルギー反応が出やすくなる(「回答2」)ので、いくつかで強い反応が出たなら、大体の金属には警戒した方がいいと思います。
要は、「〇〇と××という金属でアレルギー反応が陽性だったから、それの含まれない金属なら大丈夫だろう」は、実際大丈夫かも知れませんが、"心配"です。
今回の場合、”皮膚科で一通りの治療は受けたものの”良くならず、現在口腔内で使われている金属(数十種類ぐらいあるかも知れません)の中のどれか一つでも強めの陽性反応が出ていて(現在は不明ですが、出そうな気がしています。
血液検査も不十分ですが、金、銀、パラのどれかで強い陽性が出れば治療開始の根拠には十分だと思います。
ニッケルは矯正治療以外ではあまり使わないので微妙ですが・・)、なおかつ生活に支障があるレベルの症状がある。 のだとすれば、あとは予算の許す範囲で歯科用金属の交換には踏み切って良いと個人的には思います。
A歯科用金属アレルギーの治療に精通した歯科医を選んだ方が良いです。
三木先生のコメントにある通り、意外なところでも金属が含まれていたりします。
先ほどの、
「〇〇と××さえなければいいのではないか?」
と言うのが本当に普通の認識で、
「表層に出てさえいなければいいのではないか?
」とか、
「これが原因だったら接触する粘膜に症状が出るはず」
とか
「外せばすぐに治るではないのか?」
などなど、治療法自体が確立して、体系的に教育されてるとは言えないのが現状です。
ごく一部の歯科医師が手探りで経験値を高めて、一部の先生方がそれを時間やお金をかけて学んで共有しているのが現状・・というイメージで良いと思います。
逆に
「金属を外しましょう」
「治るかどうかは外さないと分かりません」
「基本自費治療になります」
というのは歯科経営者にとってはビジネスチャンスですから、浅い知識で軽率に自費治療を勧める歯科医も、いないとは限りません。
よく勉強されている先生であれば、どちらかと言うと気の重い治療の一つだと・・個人的には思います。
B治療方法としては、基本は仮歯→治るまで年単位で様子見→最終のものへ
がベターだと思います。
が、ここは経済事情等考慮して出来る範囲で良いと思います。
保険で、皮膚科の診断書さえあれば奥歯にも非金属が使える様になったのはある意味良いですね。
長めに使える仮歯ぐらいの感覚でも利用価値はあると思います。
ただ、このあたりの判断が本当に難しいところなのですが、一度大きく削った歯を後から小さくは戻せませんし、表層だけ非金属に変えたものの症状が治まらない・・となれば根管の中までやり直すかどうか、迷う必要も出てしまいます。
治療法も、耐久性のあるものの方が当然ベターでしょうが、そもそもが保険治療がベストではないので、コストは一般にかかります。
予算的に余裕があるなら、現実的な範囲でこれぐらいまですれば十分だろう、と考えられる耐久性のある最終的な治療法を最初から選択した方が無駄はないかも知れませんし、余裕がなければ保険治療を活用して、トライ&エラーをしていくことになるかと思います。
C悩ましいことに、アレルギーは金属だけとは限りません。
例えば仮歯を装着する際に、一般的な仮着材には亜鉛など含まれますし、仮歯(レジンの一種)の材料でアレルギー反応が出る方もみえます。(化学物質過敏症の場合など) 仮歯で大丈夫でも、インレーの代わりに使うレジンや、セラミックのクラウンを装着する際に使用する接着剤(レジンの一種)でも微妙に成分が異なるため、どこで何に反応するか、気にしだすとキリがないです。
とは言え基本的にはセラミックと、レジンで統一すればほとんどの場合は大丈夫なのではないかと思うのですが、異物を体に装着する以上、完全に安全と言える材料はほとんどないと言えます。
因みにパッチテストを行うことさえも一種の危険性が伴うので(そのテストを行うことで今までアレルギー反応を示さなかった金属に反応を示し始める可能性が当然ある)、できるだけ一発勝負で、どの金属とどの金属が、とかどの金属がどの程度か・・という正確さにあまりこだわリ過ぎず、口の中の金属を外すか外さないか決断する根拠になればいいやという程度が良いと思います。
D治療開始となったら、原因の金属を削った直後などに症状は悪化する危険があります。
でもこれは逆に、悪化するなら正しいことを始めてると、想像することが出来ますし、悪化しても数日から1週間ぐらいとのことですので、ある意味喜ばしい現象かも知れません。
金属を外す際にはラバーダムから粉塵の予防から、物凄い設備で行われる先生もいらっしゃいますしそれが無意味とは思いませんが、何をしても出る時は出る様です。
金属を身体に貼り付けるという、なんだか原始的なパッチテストもそうですし、
>丁度皮膚湿疹の時期がさし歯と根管治療の時期に重なるのですが
というお話もそうかも知れませんが、結局本当の正解というのは身体しか教えてくれない様な気がします。
Eそもそもの体質改善も見直しが必要
船橋先生もコメントされていますが、何らかの起炎物質と、それによって身体が炎症反応を起こしている状況で、それが何故か過剰であるという状況なのだと思います。
悪者を排除するのはシンプルで効果的ですが、他の関係ありそうなところにもアプローチはした方がしないよりは良いですし、コストのかからないものや健康のためには良いことも数多く考えられると思います。
ざっくりと言えば炎症があるなら減らす(感染根管や歯周炎など)、鼻呼吸、食事面、ストレス、運動、睡眠、住環境・・という様なことです。
一つの病気には一つの原因、という考えは前時代的というか、やはり身体に起きる不調というのにはありとあらゆる要素が絡んでいるというのが真実だと思います。
全部を完璧に整えることは実際問題無理だとしても、無理なく出来るものには取り組まれた方がいいと思います。
実に歯医者的なコメントとしては、金属アレルギーの治療だけが目的だとしても、やはりプラークコントロールや歯周治療などの基本治療はやはり基本だと思いますよ。
F治るまでの期間は年単位
・・と考えておかれた方がいいかも知れません。
ですが一本外しただけですぐに変化を感じた、とおっしゃる方もみえますので、必ずしも時間がかかる訳ではないと思います。
ですが季節的な要素も考慮したいですし、ステロイド治療を受けていた方などは改善に時間がかかる場合もあったりしますので、少なくとも1年間程度は結論が出ないと考えておかれた方がいいのかな、と思います。
簡単にコメントするつもりがとても長くなってしまいました。
とてもお辛い状況だと思いますので、少しでも早く、少しずつでも良くなるといいですね。
どうぞお大事にして下さい。
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