おはようございます。
接合面というのは、隣り合う歯同士が接する面(隣接面と言います)という意味でよろしかったでしょうか?
(そうでなくて噛み合わせ面の場合は"咬合面"と言いますし、主に表面の歯肉と接するぎりぎりの面であれば"歯頸部"とか"根面"と言います)
長く使えるかどうかを重視して考える場合にも、隣接面のむし歯治療の第一選択としてはレジン充填が推奨されますが、過去の回答でも多く触れられている様に、隣接面のレジン充填は技術的ハードルが非常に高いために、特に保険治療では避けた方が無難なケースが多いと思います。
技術的ハードルの意味としては、口腔内での短時間の操作で天然歯の元の形態をレジンで再現することときちんとした接着操作が非常に難しいために、結果的に段差や隙間、接着不良等がかなり高確率で発生しやすい、ということです。
(※採算性を考えると保険治療でのレジン充填は1歯につきおそらく10分以内ぐらいで行う必要がありますが、自費専門医院だと60〜90分ぐらいかけることが多いと思います)
その場合、すぐには問題は出ませんが中長期的に見るときれいな歯磨きが行えず、歯周病や2次的なむし歯(2次カリエス)、食べ物がよく詰まったり変色や知覚過敏等の問題を引き起こしてしまう可能性が高くなります。
もちろん、患者さんには評価の出来ない部分ではありますが短時間の治療であっても上手に治療して頂けている場合もあります。
それであれば隣接面であっても狭い範囲で、上手なレジン充填だったとしたらそれはお手入れ次第で非常に長持ちするはずです。
イメージとしては、隣接面のむし歯治療に関しては
・保険のメタルインレー → 50〜70点
・レジン充填 → 5〜99点
みたいな振れ幅の違い、みたいな感じです。
理想はレジンだけど、現実にはメタルインレーが無難、とも言えるかも知れません。
>強度に不安があります
これに関してはコメントが難しいところなのですが、仮に技術的ハードルの問題さえクリア出来ていたとすればメタルインレー(金属の詰め物)の適応症例であればレジン充填であっても問題なく長持ちさせられるだけの十分な強度はあると思いますし、むしろ理想的だと思います。
問題はどこまでがメタルインレーの適応症例と判断出来るかで、これは深さや大きさだけでは一律に決めることが出来ず、患者さんごとのかみ合わせの状態だったり担当医の経験値で適応範囲というのは大きく変わると思います。
一般的に言えるのは、隣接面は削ると歯の強度自体が半分近くに落ちてしまう関係上、案外シビアに考える必要は少なくともありそうです。
>それとあとあと銀歯や差し歯にして
>長い間使うことができるのでしょうか?
色々な要素があるのでこれも一概には答えにくいのですが、下リンク先等も参考にしていただいて、
参考→治療をした歯の寿命
参考→歯科の保険治療と保険外治療の違いって?
むし歯になったことのない歯と較べれば非常に大きなハンデはありますが、良い条件(適切な治療法の選択+精度の高い修復治療+適切なセルフケア+きちんとしたメインテナンス)が揃ったとすれば一生持たせることは奇跡的でもなんでもなく、普通に可能だと思いますよ。
今回おみかんさんは既に上の奥歯の隣接面(?)にはレジン充填をして頂いた後ですから、簡易的なセルフチェック方法として
・フロスが引っかからないか?
・歯間ブラシが他の歯同様に通せるかどうか?
・食べかすがやたら挟まらないか?
・歯ブラシやフロス、歯間ブラシで出血しないか?
・治療以来沁みる様になってはいないか?
あたりにもしも問題を感じない様でしたらそのままお手入れと定期検診等で頑張って頂くのが良いかと思いますよ。
頑張ってぜひ長持ちさせて下さい。
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