MTAは硬化時に水分を必要とする(ある程度濡れていても良い)セメントであるということと、強アルカリ(強い殺菌効果)の状態で数時間かけて硬化し、その後非常に優れた生体親和性(炎症を引き起こさない)を持つというのが特徴で、歯科においては大変なトピックスになった、画期的な材料です。
上記のメリットだけを考えるとひび割れにも良さそうなイメージは確かに持たれると思います。
ですがセメントですから、硬化する時には僅かに"膨張"をしますので、ひび割れのある歯の中で膨張すればひび割れはむしろ悪化するはずです。
(※ひび割れがなければ強固に密着するのでむしろメリットになります)
ひび割れも確かにあるとしたら、その中は浸出液によって常に湿潤状態ですから、セメントは硬化する際に水分が多すぎると不完全な硬化を起こしますので、要は固まらずにボソボソの状態になり、細菌繁殖の場を作ってしまいます。
歯質への接着性もありませんので、"補強"という意味合いはほぼ期待出来ません。
実は当院でも諦めきれずにダメ元でクラックのある歯にMTA充填を行ったケースもあるのですが、おそらく上記の様な理屈でうまく行かなかったですね。
その2か所目の先生は、うまく行った経験をお持ちなのでしょうか?
にわかに信じ難いですが。。
「最後に納得する為に・・」
と割り切れる様ならしてみても良いと思いますし、周囲の歯への影響というのも今さらそれほど気にしなくても良いのではないかと個人的には思います。
ただ割れているのが確かであれば(←ここの部分がどうしてもこのサイトでは確認が取れませんが・・)、やはり難しいと思いますよ。
よく相談して決めて下さいね。
お大事にどうぞ。
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