安いオールセラミックの作り方は、行程も極力シンプルにしていきますから、写真撮影もせずに色はA1とかA2とか、簡単に決めてしまいます。
作り方も歯の付け根の方の色とか先端の方の色とかを区別せずに、全体で均一な色にしますので、とても簡単に作れます。
お話からすると、そんな内容の様にも思えますね。
あまりこだわらなければそれでも十分かも知れません。
前歯4本(上の2〜2)を一度に作るというお話なら左右のバランス等もさほど気にする必要もありませんし、比較的リスクは低いと言えるかも知れません。
一方で手間をかける医院だと、近くの歯の色をまずよく記録して、1本の歯の中を何箇所にも分けて色や模様(個人差がかなりあります)も再現しようとしていきますし、オールセラミックだと土台の色も仕上りに影響してくるのでそれも記録します。
また照明や歯の乾燥具合、カメラの向きや設定、パソコンの状態で実際の歯の色と技工所のディスプレイで見える歯の色は全然異なってきてしまうので、この辺りの誤差を減らす努力を歯科医院も技工所も行うことになり、これはかなり奥が深い作業となりますので、案外とこういったところにコストが発生しています。
更にホワイトニングとの兼ね合いについて、当院でも多く行っていますが経験上間違いなく、ホワイトニングをしてない歯よりもホワイトニングをしている歯の方が、修復は何倍もシビアになります。
真っ白のキャンパスに、違う材質で白いものを合わせていくのはもの凄く難しいですが、少し汚れて、やや黄色っぽいキャンパスなら少々ズレた色のものを配置しても目立ちませんからね。
しかもホワイトニング後は歯の透明度なども人それぞれで出てきますので、これを人工物で再現するというのはもの凄く難しいです。
セラミックで透明度をコントロールするのはかなり難しいので、透明っぽく見える様に例えば青っぽい色を混ぜたりとか、何層にも色を重ねて作ったりもするのですが、こういう技術がコストに反映される訳です。
ですので櫻井先生の聞いた話というのはおそらく神様レベルの話なのではないかと、個人的には感じました。
審美に関わる話は合格ラインが人それぞれですし、第三者ではなかなか判断が出来ませんから、治療を実施して頂く医院で類似の症例写真を見せて頂いて、治療を受けるご本人がそれで十分と感じるかどうかで判断するのが一番いいと思いますよ。
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