自分の知る限りでは、長持ちする、精密な診療に真剣に取り組んでいる先生はクラウンの値段は周りよりも高めに設定するものです。
つまり自分が思う"良心的な"歯科治療というのは、高額です。
歯科というのは一般的に原価率が20%程度で、もっともコストがかかるのは「時間」に対してですから、安売りをするとしたら何を落とすのか、何を目的としているか、考えれば分かることではないでしょうか。
あと当院でも、安いからということで過去にわざわざ東京まで行って10本ぐらいセラミックの治療を受けてきた歯があって、拝見すると全てが精度に問題があり継ぎ目が黒くなっていたり歯肉が腫れて膿んでしまったりしている方がみえるのですが、やり替えようにも本数・金額的に困難なために妥協したメインテナンスを余儀なくしている方もみえます。
必ずそうなるとは思いませんが、もしもそうなった場合に、本数が多いほど身動きが取れなくなるのも現実だと思います。
ところで「金属アレルギー」ということはきちんと医療機関で確定診断できているのでしょうか?
時々自己判断で「金属アレルギーがある」とおっしゃる方が見えるのですが、違う原因の場合も往々にしてあります。
どの金属とどの金属にアレルギー反応があるのか、もしも調べてない様でしたら先に調べることをお勧めします。
逆に間違いなく現在お口に入っている金属にアレルギー反応が出ているのだとしたら、その金属を取り外す際にも削りカスを飛び散らせない様な配慮を手間をかけて行うべきでしょう。
不用意に高速でドリルで削れば、削りカスは粘膜の中に埋まってしまいます。
かなり手間はかかりますが金属を削る時にはラバーダムを併用するとか、土台も金属でないものにするとか、あるいは空気中に舞う金属粉さえも吸いこまないで済む様な配慮まで行うのか、その辺りの対応は先生によってご判断が異なるかとは思いますが、いずれも「時間」がかかります。
ですので、あまり簡単には考えない方がいいと思いますよ。
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