神経の治療(根っこの治療、根管治療) |
歯の神経の治療(根管治療)だけは、本当に本当に慎重になるべきだと考えています。
日本の健康保険での根管治療は、世界の群を抜いて安価で気軽に行われる傾向がありますが、絶対に手を抜いては
いけない大事な処置です。
なぜなら根管治療は、家を建てる際の「基礎工事」にあたる最も重要な部分なのですが、日本(健康保険)での
この治療の成功率はおよそ50%程度と考えられているからです。
一度治療が失敗すると、再治療の成功率は更に落ちてしまいます。
(※欧米の専門医が専用の機械・道具を用いて行っても、成功率は60%程度)
お心当たりのある方も多いのではないでしょうか?
※必ずお読み下さい※
参考⇒根管治療/根幹治療(歯の神経・根の治療)について詳しく説明(外部サイト)
やむを得ず神経を抜く場合、あるいは不幸にして再治療になった場合、もしくは他院にて、根っこの病気を理由に抜歯宣告
された様な場合には、一度ご相談下さい。
ノアD.C.では、根管治療に関しては欧米の専門医の行うプロトコールに従って、「こうした方がいいかな?」と思える全てを
行う様にしています。
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【歯科用CTの応用】(診断)
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原因不明の歯痛が続き、通常のレントゲン写真では見落としがちな病変でも・・ |
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歯科用CTだと、こんなにはっきり。
(※右から2番目の歯の根っこの先端の黒い丸い部分)
しかも前からでも下からでも見ることが出来ます。
根管治療に3次元の情報は極めて有用であり、今まで日常的に見逃されていた様な副根管(※治療しなくてはいけない、神経の通り道)や病気の原因を、ほとんど見逃さずに済みます。
また画像上で根管の長さも正確に測れるなどのメリットも大きく、術前・術中・術後を通して、安心・確実に進めることが出来ます。 |
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※根尖病変(根の先の黒い影≒膿)の見逃し率は・・
・歯科用CTを0%と考えた場合
・デンタル撮影法(口の中に小さいフィルムを入れて撮影する方法、↑一番上の写真)45%
・パノラマ撮影法(顔の周りを機械がグルッと回転して全体をまとめて撮影する方法)72%
と、言われています。 |
【歯科用マイクロスコープの応用】
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日本では2%程度の普及率ですが、欧米の専門医ではほとんどの
先生が毎日必ず使用している歯科用マイクロスコープです。
暗くて狭いところの作業である根管治療において、視線と同軸の
明るい光、最大20倍の拡大視野は、絶大な威力を発揮します。
非常に細かい、地道な作業で、消毒に1時間以上かかることも
多いですので、広めのチェアーでゆっくりお休み下さい・・。 |
【隔壁作製・ラバーダムの装着】
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根っこの先に膿がたまる原因は、主に消毒の不備です。
消毒をするのに処置中に唾液が混入してしまう様では本末転倒ですから、必ず「ラバーダム」と言う器具を使用します。
ラバーダムが使用出来ないほど歯が小さくなってしまっている場合には、左の写真の様に、「隔壁」と呼ばれるプラスチックの壁を作ってから処置を開始します。
こうすることで唾液から隔離できるだけでなく、処置に使用する強い薬液がお口に漏れることや、器具の落下・誤飲も防止できますので、安心して処置を受けて頂けます。 |
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【消毒】
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後はひたすら消毒です。
必要に応じて特殊な器具を色々使用します。
時間を十分にかけて消毒をすることが最も重要で、当院では毎回1時間前後かけて行います。 (1歯の治療につき2〜4回)
術中も、必要があればモニターで歯の中の様子をお見せしたり、術後に録画した動画や静止画でもご説明をします。
一般的には諦められてしまうことの多い、パーフォレーションのリペア(穴の開いてしまった根管の修繕)、破折ファイル片の除去なども行います。
術後3〜6ヶ月後にCTを再度撮影し、病変の縮小傾向が認められない場合には、最終手段として歯根端切除術や意図的再植も行います。 |
【術前・術後の比較】
この方は、他院にて歯根端切除が必要と言われ、なんとかならないものかと転院してみえた方です。
確かに根尖病変(根の先の黒い影の部分)が極めて大きく、膿を出そうとして根管の形も壊れてしまって
おり、2本の歯の神経がすでに抜かれていました。
この様な場合、歯根端切除術という手術や、抜歯を勧められることが一般的なのですが、ご相談の末、
再度根管治療を行わせて頂くこととなりました。 |
歯科用CTやマイクロスコープを活用し、少し特殊な方法で根管治療をするなどして、術後6ヶ月、
幸いに根尖病変(根の先の黒い影)が縮小傾向にあることが、はっきりと確認できました。
この時期で縮小傾向が確認出来れば、あとは(かなりの高確率で)安心して大丈夫です。
根気と高額な費用(このケースで10万円弱×2本)が必要でしたが、その代わりにインプラントよりも
ずっと安心して長く使える、天然の歯が残せました。 |
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